『ノンバーバル』なコミュニケーションから考える「伝わる」ということ

『ノンバーバル』なコミュニケーションから考える「伝わる」ということ

『Help each other』の楽しさ

出だしから、??という風に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は「ノンバーバル」=言葉ではない=無言語、のコミュニケーションと、

Help each other=助け合い(持ちつ持たれつ)の楽しさをご紹介したいと思います。

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10年ほど前から昨年まで外苑前で体験できた、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という体験をご存じでしょうか。

(諸事情で今は移動され、現在では各地での開催及び2020年に竹芝に再度常設を再開されるとのことです。詳しくは団体のHPをご確認ください。

did.dialogue.or.jp

 

こちらは「暗闇の中での対話」というタイトル通り、

本当に光の筋さえ見えない真っ暗闇の中で

盲者のアテンダントの方と共に、参加者で色々な体験をする という場所で

私も3回ほど参加したことがあるのですが、

自分の感覚を研ぎ澄ます、という体験から得るものがたくさんある場所でした。

特に毎回感激するのが、アテンダントの方の、体感覚の鋭さ!

空気の動きや、音の距離感、近くにいる人の体温などを手掛かりに

真っ暗闇の中をスイスイ、道具を使う体験の時も、体験者への気配りもものすごくスムーズです。

 

真っ暗闇の空間で、「はい、次歩いてください~」と言われても怖くて、

「はい、これを回してください~」と何かを手渡されたとしても、それが何かもわからず怖い!という感情が先に付きまといます。

(3回体験して3回とも最初は恐怖が先立ちました。)

 

 

その中で時間の経過とともに、

「ああ、今、わたしは出来ないことがたくさんあって、

アテンダントの方だけでなく一緒に参加している人も含めて、

得意な人や、スムーズに行動できる人に助けてもらいながら、自分の出来ることを探して、

自分ができることは私が役にたてるようにするんだ。」

と気づくと、何も見えない怖さが徐々に減り、安心感と自分の感覚に集中できるようになりました。

 

是非未体験の方には体験してみていただきたいな、と思うDIDで、

「ダイアログ・イン・ザ・サイレンス」という体験もできるようになりました。

 

2017年の夏から、新宿で期間限定的に開催されているので、

参加なさったかたもいらっしゃるかもしれません。

私も2017年に体験しました。

 

その時は遮音性の高いヘッドフォンをつけて、

聴覚に課題をお持ちの方

(聾の方と完全な聾ではない方と両方いらっしゃいました。)がアテンドとなり、

いくつかの仕切られた部屋を、数人のグループで体験して回りながら

「音」以外の、伝え方でコミュニケーションを取るという体験をしていきました。

(2020年にオープンする施設のアテンダントさんを募集されていたので興味のあるかたは是非(聴覚に障害をお持ちで手話ができる方という募集要項でした。詳細は直接DISのHP:でご確認ください。)

 

この体験から感じられたことは、

言葉だけが自分の気持ちや考えを伝える道具ではないなあという再発見

一緒に同じ空間で時を過ごす人のことを観察する力の重要さでした。

 

そのことを、とても分かりやすく、普段の生活にすぐに活かせる具体的な例を含め、

紹介されているインタビュー記事を拝見したので、ご紹介したいなと思います。

 

イクラス人材のためのメディア&コミュニティ「iXキャリアコンパス」

というWebメディアの中で紹介されている、

聴覚障害者の両親の家庭に生まれ育った経験をもとに、

企業で働く人たちに言葉を介在させない無言語コミュニケーションの

研修プログラムを提供するSilent Voice代表の尾中友哉さんの記事です

ix-careercompass.jp

 

聴覚に課題を持つご両親をもつ、聴覚に課題を持たない子供さんのことを「CODA」、

聴覚に課題を持つ兄弟姉妹をもつ、聴覚に課題をもたない子供さんのことを「SODA」

ということがあるのですが、(詳しくは後日別の記事でお伝えします。)

インタビュー文中、尾中さんは、CODAとして育つ中で

ご両親が得意なこと、ご自身が得意なこと、を

持ちつ持たれつでしていらしたとおっしゃっていました。

 

その中で培われてきた、相手が何をしてほしいと思っているのかとか、

相手が言っていることの先にある心はなんだろうといった、少しの思いやりで

コミュニケーションが深まったり楽しくなったりする という発見と

身体ごと向き合うコミュニケーションの必要性

お仕事で伝えていらっしゃるそうです。

 

AIが発達してきて、人間らしさ をより求められる仕事が増えていく、

といわれて久しいですが、本文中にご紹介されていた

自分と相手の違いから自分の当たり前を疑うことが始まって、そこに発見やイノベーションが生まれること」

を可能にするのは人間ならでは、ではないかなと思います。

 

持ちつ持たれつ、お互いにお互いから学びあう姿勢で

課題を持つ人とのコミュニケーションが増え、

そこに楽しみやイノベーションが生まれていく。

それが障害という概念のない、世界につながっていくといいなと思います。

 

今回もお読みいただきありがとうございました!

LMH 郷司

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