ガイド自身が手話を使って案内 手話ガイドによる鑑賞ツアー 札幌国際芸術祭

ガイド自身が手話を使って案内 手話ガイドによる鑑賞ツアー 札幌国際芸術祭



札幌国際芸術祭で、耳の聞こえない人により作品を楽しんでもらおうと画期的な鑑賞ツアーが行われました。声のないガイドツアーとは?

ゆっくりと咲く真っ赤な花。
コロナ禍で防護服に使われていた素材で作られていて、生と隣り合わせの死を表現しています。
3年に1度行われる札幌国際芸術祭。
こちらの会場では「未来劇場」と題して100年後をテーマにした作品が展示されています。

手話ガイド)
「ここにあるのは韓国の作家で【チェ・ウラム】という人が作った作品で3つあります」。

週末に行われたのは、手話ガイドによる鑑賞ツアー。耳が聞こえない人のため、音声ではなく手話で作品を紹介します。

参加者)
「この人は男性?女性?何歳ぐらい?」。

手話ガイド)
「40歳から50歳ぐらいですね。この作品の案を考えるのは1人だけれど、作品はチームでやっています」。

ガイドの説明を手話で通訳するのではなく、ガイド自身が手話を使って案内するという新しい取り組みです。

札幌国際芸術祭統括マネージャー・細川麻沙美さん)
「音がする場合は音の補完をしなければいけないとか、手話ならではの個性があるガイドが成立できれば、手話言語の方たちはもっとリラックスして作品を楽しめるのではないかと思った」。

こちらは「今ある危機」と題した空間。氷河が解けないように使われているシートが、環境汚染につながるプラスチック製だという矛盾を描いた作品です。

手話ガイド)
「温暖化で氷河期の雪が解けてきて、それを防ぐために山にかぶせるシートです」。

手話ガイドは、全員がボランティア。普段から手話を勉強している人や耳が聞こえないろう者が作品のレクチャーを受けてガイドを務めました。

手話ガイド・秋保恵実子さん)
「参加してくれた人の言葉やコメントを聞いて『なるほど』と色々考えさせられました。自分の財産になったと思います」。

参加者)
「(いままでは)来ても100%楽しめるかというとそうでもないことが多かった。今日はすごく楽しかった」。

未来への問いと行動をテーマにした芸術祭。手話ガイドの取り組みも今後の可能性を秘めています。

札幌国際芸術祭統括マネージャー・細川麻沙美さん)
「この芸術祭ではなくて札幌の色々な方とか文化の施設の方がこんなことやってみたら面白いんだなとか、楽しかったよという声でこういった機会がつながっていけばと強く思います」。

リンク先はHTB北海道ニュースというサイトの記事になります。
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