「子どもの言葉が遅いのは私のせいかも」自分を責める親たちに、小児科医が伝えたいこと

「子どもの言葉が遅いのは私のせいかも」自分を責める親たちに、小児科医が伝えたいこと

乳幼児健診や診療の際に、お母さんやお父さんから「周囲の同じくらいの子はしゃべっているのに、なかなか言葉が出なくて」「もう1歳半なのに何も話さないのは、発達が遅れているんでしょうか」などと相談を受けることがあります。

確かに同じ年齢(月齢)のお子さんが上手にしゃべっているのに、我が子は言葉が出ないとなると、保護者としてはとても心配になるでしょう。

そんなときに真っ先に確認していただきたいのが、お子さんの耳がよく聞こえているかどうか、です。

お子さんに見えない方向(背後など)から声をかけたり、物音に反応があるかどうかを確かめたりして、もしも聴覚の問題がありそうだったら、耳鼻科を受診しましょう。

言葉が出ないとか、落ち着きがなく指示がわからなくて発達障害じゃないかと心配される子の中には、耳の聞こえがよくない子がいます。

出生後すぐに産婦人科で行われる「新生児聴覚スクリーニング検査」で異常が見つからなくても、後になって見つかることがあるのです。

耳が聴こえていない、あるいは難聴の場合、そのままでは言語の習得が難しいため、治療を行ったり、補聴器をつけたり、手話を覚えたりなどの対処が必要です。

一方、聴覚には異常がなく、知能や発達に問題が見つかるケースもあります。

その場合は、経過観察や療育などが必要になりますから、小児科や保健所で相談しましょう。

ただ、相手が言っていることは理解できるのに自分は話さない「表出性言語発達遅滞」であれば、2歳を過ぎると話し出すことが多く、その後の発達には問題ありません。

自分を責めず、専門家に相談しましょう
そもそも、子供は何歳からしゃべるようになるものでしょうか。

1歳になると喃語に意味のある言葉が混ざり始め、1歳半で3つ以上の単語が言えることが指標になります。

「まんま」「ママ」「パパ」「ブッブー」「ワンワン」などと言うことが多いですね。

その後、2歳になると二語文といって「ブッブー 来る」「ワンワン いる」など主語と述語を使えるようになります。

さらに3歳になると、「〇〇くん 公園 行く」などと目的語のある三語文が言えるようになることが多いでしょう。

もちろん、小さな子供の発音は不明瞭ですし、言葉の発達の時期には個人差もありますから、少しくらい遅くてもあまり心配しすぎないようにしてくださいね。

ただ、市区町村の1歳6カ月健診では身体的発達や健康状態はもちろん、言葉の発達についても調べることになっているので、気になることがあってもなくても必ず受けましょう。

また、2歳を過ぎても意味のある言葉が出て来ないようであれば、かかりつけの小児科か保健所、子育て支援センターなどで相談してみてください。

何らかの問題が見つかる場合もあります。

子供の言葉の発達が遅いと、保護者は責任を感じてしまいがちです。

特に周囲に「お父さん、もっと話しかけてあげて」「お母さんの育て方が悪いんじゃないの」などと心ないことを言う人がいれば、よりつらくなってしまうでしょう。

でも、子供の言葉が遅いのは保護者のせいではありませんから、難しいとは思いますが、ご自身を責めないようにしてください。

子供と会話をすることは大事ですが、保護者の努力だけで発語を促すことができるとは限りませんし、また発達は早ければ早いほどいいということもないのです。

お子さんは、保護者だけでなく周囲からも影響を受けて成長するものですし、個人差や遺伝は誰のせいでもありません。

何か心配なことがあったら、早いうちに小児科や耳鼻咽喉科、保健所、子育て支援センターなどで相談しましょう。

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