資生堂、手話を用いたオンライン美容相談サービスを開始

資生堂、手話を用いたオンライン美容相談サービスを開始

2024年11月14日 発行元:(株)資生堂

~聴覚に障がいのある方へのパーソナルな美容体験の提供と、障がいのある方の職域拡大を目指す~

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資生堂は、オンライン総合美容相談Online Beautyにて、聴覚に障がいのあるお客さまを対象とした無料のオンライン美容相談サービスを開始しました。本サービスは2024年10月からのプレオープン期間を経て、11月7日(木)より本格始動しました。手話や口話、チャット等の方法を取り入れ、聴覚に障がいのあるお客さまが美容カウンセリングを受けられる際に存在する物理的・心理的ハードルを解消し、パーソナルな美容体験を提供します。

同時に、障がいのある方の職域を広げる「職域拡大プロジェクト」として、多様な人財が美容職として活躍できる仕組みづくりにも取り組んでいます。本サービス開始段階においては、資生堂パーソナルビューティーパートナー(以下PBP)のうち、デジタルを中心に活動しているオムニPBP2名が手話を学びながらカウンセリングを担当します。並行して手話スキルを有する障がいのある方々の美容職採用を進めており、将来的には手話を日常的に使っているPBPが担当する予定です。応対を通じてノウハウを蓄積しながら、さらに利用しやすいサービスに発展させていきます。
資生堂は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、誰もが持つ「自分らしくありたい」という願いを美の力を通じて支援します。

カウンセリングをしている様子
カウンセリングをしている様子

オンライン総合美容相談Online Beauty


サービスの概要

美容カウンセリングの利用について、社内外の聴覚に障がいのある方々にヒアリングをした結果、「手話ができるスタッフがいないため気軽に相談できない」「筆談だと時間がかかり頼みづらい」「ガヤガヤしたところでは聞き取りづらい」といった物理的・心理的ハードルがあり、結果として利用を諦めてしまうことが少なくないことがわかりました。これらの課題を解決するため、社内の当事者が中心となりプロジェクトを立ち上げ、応対方法や伝わりやすい手話表現の開発など、約10か月かけてサービスを構築しました。本サービスでは、当事者のニーズに対応した最適なコミュニケーションの方法を取り入れ、パーソナルな美容体験を提供します。

約1か月間のプレオープン期間では、お客さまから「手話で気軽にカウンセリングを受けられることが良い」「聴覚に障がいのある人にとって、このような場があることは嬉しい。メイクがさらに好きになった」といったお声をいただきました。事後アンケートによるお客さま満足度の平均は、5段階評価のうち4.9(10月末時点)と総合的に高く、ニーズに沿ったサービス展開ができていることがわかりました。本格始動にあたっては、カウンセリング進行をさらに分かりやすくお伝えするため、開始時にチャットにて全体の流れや注意事項をご案内するなど、丁寧なコミュニケーションを心掛けるほか、利用希望者の多い夕方の時間帯に予約枠を増設するなど利便性を高めています。今後も、お客さまのお声を取り入れながらサービスを向上させていきます。

<サービスの特徴>
①最適なコミュニケーションスタイルでカウンセリングを提供
カウンセリングは、お客さまが最も心地よいと感じられるコミュニケーションスタイルで提供します。手話・口話・チャット等の方法から選ぶことができ、コミュニケーションにストレスを感じることなく、個々のニーズに応じた最適な美容アドバイスが受けられます。

②好きな場所でオンラインカウンセリングが受けられる
オンラインを活用するため、周りを気にせず、好きな時に自宅などの好きな場所で美容アドバイスを受けられます。

③伝わりやすく工夫した手話を提供
オンラインでも伝わりやすいように手話表現を工夫しています。例えば、画面上では前後に動かす手話はわかりづらいため左右に動かすなどの変更をしています。また、カウンセリングの進行も手話での説明と実演を分け、商品提示やイラストなど視覚情報での説明を多く取り入れており、わかりやすくスムーズな美容アドバイスを受けられます。


手話による美容情報の発信

デジタル活動に特化したオムニPBPは、一人ひとりのニーズに合った美容体験を提供することを目的に、カウンセリングだけではなく個人SNSやライブ配信、YouTube、TikTokなどの活動を行っています。その中で2024年5月より、以下Instagramアカウントにて「手話による美容情報発信」を開始しました。聴覚に障がいのあるお客さまも分かりやすく美容情報を入手できるよう発信を行っています。

手話をするスタッフ

Saya Instagramアカウント

Nao Instagramアカウント

デジタルに特化したオムニPBP専用サイト


【ご参考】資生堂の障がいのある方への取り組み

当社は、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」の実現のためには、多様な価値観をもつ人財が集まり、お互いを尊重することで新たなイノベーションが生まれるとして、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を重要な経営戦略の柱と位置づけています。障がいについても多様性の一つと考えており、社内外への取り組みを行っています。

<障がい者雇用について>
国内資生堂グループでは、約400名の多様な障がいのある社員が職場や職種を限定することなく、それぞれの経験や強みをいかして働いています。株式会社資生堂の障がい者雇用率は4.81%、国内資生堂グループの障がい者雇用率は2.99%です(2024年6月1日時点)。また、東京・大阪をはじめ、全国 9カ所に事業所を持つ特例子会社の花椿ファクトリーでは、主に知的障がいのある社員が働いています。障がいへの配慮については一人ひとりに合わせることを基本としており、障がいの状況に応じた支援ツールや設備、本人の要望に応じた柔軟な環境整備など、働く環境をハード・ソフトの両面で合理的な範囲で充実化しています。また、障がいに関する治療・検査・リハビリなどの通院の際は「障がい者通院休暇」を利用することも可能です。
2019年に行われた資生堂グループ内のイノベーションコンテストでの提案をきっかけに、障がいのある方の職域を広げる「職域拡大プロジェクト」を推進しており、2021年には視覚に障がいのある社員が通信営業として働けるシステムや体制を構築し、採用後、営業担当として活躍しています。今回の美容職への職域拡大は、本プロジェクトの第2弾の位置づけです。

<社会に向けた取り組み>
代表的な取り組みは、2019年から開始した「ガイドメイク」が挙げられます。視覚に障がいのある方が自身の手指を顔に当てて「ガイドライン」にし、それに沿ってスキンケアからポイントメイクアップまでを行う化粧法であり、会場とオンラインの両方で実施しています。2024年から、全国の盲学校と連携して体験会を開催し、新たに社会へ巣立つ方々を応援しています。
視覚障がいのある方に向けては、その他にも先駆けて様々な取り組みをしています。1984年に、点字版美容テキスト、商品識別点字・墨字シール、使用量シールといった視覚に障がいのある方をサポートするための美容教材の開発を始めました。2002年より、資生堂のWEBサイトにて、音声読み上げソフトで美容情報を確認できる 「資生堂リスナーズカフェ」を開設。2022年には、さらに役立つ情報を掲載し全面的に改編しています。
また、聴覚障がいのある方へは、視聴普及を目的に、2018年よりテレビ番組における「字幕付きCM」の放送を開始。段階的に拡大し、現在ではすべてのテレビCMで字幕対応が可能となっています。
2021年からは障がい者の社会進出を後押しする国際的な活動「The Valuable 500」に加盟しています。今後も、障がい者の雇用や障がいのあるお客さまへのサービス提供など、本業であるビューティービジネスを通じて障がい者インクルージョンへの取り組みをさらに進めていきます。

<社内での取り組み>
2024年12月には、障がい者に対する理解と共感を深める「障がい者週間」に合わせて社内イベントを実施します。障がいをより理解することを目的に、当事者社員の体験談や外部有識者によるウェビナー開催、障がい体験会などを実施予定です。同時に、障がいのある社員とアライ(理解者であり、支援者を指す)が参加可能なERG(Employee Resource Group)を立ち上げました。
社員一人ひとりが学び、考える機会を提供することで、障がいに関する知識の習得と社員間の相互理解を促し、インクルーシブな職場環境醸成に繋げます。

資生堂のサステナビリティ

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。


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