補聴器使用後の人生における意味のある変化:定性的なユーザーの視点

補聴器使用後の人生における意味のある変化:定性的なユーザーの視点

概要

目的
本研究は、成人の補聴器使用者における補聴器使用による有意義な生活の変化を探求することを目的とした。

デザイン
オープンエンドの質問を用いた横断的調査デザインが採用され、帰納的質的内容分析が行われた。

対象サンプル
Hearing TrackerウェブサイトコミュニティおよびLexie Hearingデータベースから、アメリカ在住の成人補聴器使用者(n = 653)が対象。

結果
参加者の平均年齢は65.4歳(標準偏差13.6歳)で、男性が61.2%、女性が38.3%、その他が0.5%であった。回答から得られた2122の意味単位の分析により、「有意義な利益」(n = 1709; 80.5%)と「残存する困難」(n = 413; 19.5%)の2つの大きな領域が特定された。有意義な利益の領域には5つのカテゴリー(27のサブカテゴリー)が含まれていた:(a)心理社会的利益、(b)聴覚の改善、(c)個人的利益、(d)補聴器の機能と接続性、(e)状況的利益。参加者は、関係性の向上と職業機能の改善を主な利益として報告した。残存する困難の領域には4つのカテゴリー(25のサブカテゴリー)が含まれていた:(a)補聴器の限界、(b)聴覚およびコミュニケーションの問題、(c)状況的困難、(d)個人的な問題。顕著な困難として、補聴器のデザイン問題や騒がしい環境での挑戦が挙げられた。

結論
補聴器使用者は、多様な利益とデバイス使用に関する持続的な課題を報告しており、彼らの生活経験の複雑さを示している。これらの発見は、共感的で効果的なリハビリテーション戦略やユーザー中心の補聴器技術の開発に寄与する。


リンク先はTaylor&Francis Onlineというサイトの記事になります。(原文:英語)
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