感覚過敏の人に向けた静かな取り組みとして、商業施設などで「クワイエットアワー」、直訳すると「静かな時間」が、いま徐々に広がっている。
【映像】クワイエットアワーを実施する店内の様子
いつもは買い物意欲をかき立てるアナウンスが流れるスーパーマーケットに、突如として静寂が訪れる。
神奈川・相模原市のとあるスーパーでは、16時から1時間、BGMやアナウンスを流さないクワイエットアワーを設けている。
店長が理由を語る。
「子どもが聴覚過敏で、なかなか外に出られない、買い物も行けない中で、こういう取り組みを知って、子どもと一緒に買い物できる楽しみができたと。意味のある取り組みだと思う」(スーパー「なかや」相模原大沼店・儀保裕店長)
感覚過敏とは、日常生活に困難をもたらすほど、聴覚や視覚などが過敏に反応する症状のこと。
そうした人々が過ごしやすいよう、クワイエットアワーではBGMを消したり、照明を控えめにしたりしている。
具体的にどのような症状なのか、専門家に聞いた。
「聴覚過敏の方は、スーパーやコーヒーショップぐらいの音の大きさでも、パチンコ店にいるぐらいの騒がしい部屋にいるように感じる人もいる。ストレスを感じたら、目まいを感じる人もいる」(高知大学医学部・高橋秀俊特任教授)
高橋氏によると、感覚過敏には「視覚過敏」「聴覚過敏」「嗅覚過敏」「触覚過敏」などがある。
症状は人によって差があり、頭痛や目まい、不快感、恐怖、イラだちなどが起こることで、体調悪化につながる。
この話題に対し、フリーアナウンサーの大島由香里は、感覚過敏の人に向けた新たな試み「クワイエットアワー」そのものは知らなかったものの、「たしかに言われてみると、スーパーではいろいろな音が流れている。
その騒がしさで、購買意欲を刺激していると思っていた。
それが苦しいと感じる方もいらっしゃるんだと思った」と感想を語った。
相模原でのクワイエットアワーは、相模原青年会議所の呼びかけで、スーパーや書店など19の店舗で行われている。
また、愛知県の「豊橋総合動植物公園」では、人混みが苦手な人たちを対象に、休園日に来園できる取り組みがある。
北海道の「おたる水族館」でも、マイクを使わず、演技を紙に書いて説明するイルカショーが、今年に入って4回行われているという。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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