コンサートに行ったら耳鳴りや詰まった感じに 安全に楽しむための対策は?…「急性音響性難聴」を患うことも

コンサートに行ったら耳鳴りや詰まった感じに 安全に楽しむための対策は?…「急性音響性難聴」を患うことも

2024年4月29日
医療・健康・介護のニュース・解説

  Q  ロックコンサートを楽しんだら、しばらく耳鳴りや耳が詰まった感じがしたよ。

  ヨミドック  時間と共に回復することもありますが、静かな場所で一晩寝て、翌日も耳の違和感が続くなら危険な状態です。大きな音にさらされて「急性音響性難聴」を起こしている可能性があります。時間がたつと治りにくくなるので、できるだけ早く耳鼻科を受診することを勧めます。

  Q  音が耳を痛めるの?

  ヨ  内耳の 蝸牛かぎゅう という器官に音を感じる「有毛細胞」があり、それが音のエネルギーによってダメージを受けます。音の影響は、強さと時間の掛け合わせで決まります。ロックコンサートのような100~120デシベル(dB)の大きな音なら、数分間でも 曝露ばくろ されると、難聴が生じるリスクがあります。

  Q  安全にコンサートを楽しむための対策はある?

  ヨ  コンサートやスポーツ観戦など大きな音が予想される場合は、状況に応じて、耳栓やイヤーマフなどの聴覚保護具を使い耳を守りましょう。

  Q  どう選べばいいかな。

コンサートに行ったら耳鳴りや詰まった感じに 安全に楽しむための対策は?…「急性音響性難聴」を患うことも
  ヨ  2020年の日本産業規格改定で、聴覚保護具は遮音性能の表示がルール化されました。音をどれだけ抑えるかを「SNR」「NRR」という数値で示しています。耳に入る音を70~85dBまでに抑える保護具を選択してください。実際には隙間から音が入るため、性能が10dBほど低くなる場合が多いことも覚えておきましょう。

 遮音性能が十分で、自分の耳の穴のサイズや形に合っていて奥までしっかり入るもの、痛みや声がこもるなどの不快感がなく、使いやすいものを選ぶといいですね。

主な聴覚保護具と選び方

  Q  正しくつけるには?

  ヨ  耳穴(外耳道)は少し曲がっています。耳栓をつける側の反対の手を頭上から回して耳介をつかみ、後ろ上方に引っ張って、外耳道を一直線に近づけます。耳栓の形を整えてまっすぐ押し込むと、奥までしっかり入ります。イヤーマフは耳全体を覆うようにします。眼鏡のつるに当たって隙間ができないよう気をつけましょう。ぴったりとする感覚があれば大丈夫です。

  Q  手入れは必要かな?

  ヨ  汚れや脂がつくと素材が硬くなり、隙間ができやすくなります。説明書に従って清潔に保ち、傷んだら交換しましょう。(東礼奈/取材協力=熊川孝三・赤坂虎の門クリニック医師、和田哲郎・筑波大病院耳鼻咽喉科病院教授)


 ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。


【関連記事】

ヘッドホンの大音量で起きる「騒音性難聴」 初期はキーンと耳鳴り…予防するには?

[梅沢富美男さん]難聴 中耳炎の痛みが引くと左耳から血のようなものが流れ出て、全く聞こえなくなった

めまい、難聴起こるメニエール病 生活習慣改善と薬で治らない場合の新治療は…似た病気に突発性難聴

[相田翔子さん]耳鳴り 緊張の結婚披露宴 直後に難聴と耳鳴りに襲われ…メニエール病と診断


リンク先はYomiDr.というサイトの記事になります。
Back to blog

Leave a comment