難聴は、現在世界中で4億3,000万人が罹患している問題であり、その8%が子どもです。
そして、聴覚専門医がほとんどいない中低所得国に住む人々にとって、治療を受けることは依然として高価な贅沢品です。
きちんと聞こえないことで、子どもたちは学校に行けず、大人は仕事に就けず、家族は終わりのない貧困の連鎖に陥っています。
世界保健機関(WHO)によると、低所得国で補聴器を必要としている人のうち、実際に補聴器を使用している人はわずか3%しかいません。
1,130万人以上の人口に対し、認可を受けた聴覚士が27人しかいないヨルダンでは、KOICA(韓国の国際援助機関)の資金援助で新設されたマルカろう学校を除いて、難聴の子どもたちのための教育の選択肢はほとんどありません。
これは、ヨルダンが近隣のシリア、イラク、パレスチナから推定100万人の難民を受け入れているにもかかわらず、長引く紛争によって、特に子どもたちの聴覚障害の発生率が高くなっています。
この状況を変えようとしているのが、ある非営利の新興企業です。
3DP4ME(中東のための3Dプリンティング)は、3Dプリンティング技術とポータブル3Dイヤースキャナーを使って、若い難民や低所得のヨルダン人のために、従来の補聴器を手作りするのにかかる時間とコストの半分で、低コストの補聴器を作ることができます。
同NGOは、ハイテク大手のインテル、グローバル・コンサルティング会社のアクセンチュア、ドイツの化学薬品会社BASFからの資金提供により、2023年初めにヒアリング・エクスプレスの試験運用を開始しました。
4月までに、3Dプリンターで製作された高品質のフォナック補聴器を103個装着し、6歳から12歳までの52人の子どもたちに必要不可欠な言語療法サービスを提供しました。
「私たちにとっての北極星は、この子どもたちが学校に通い、インクルーシブな教育環境へと前進し、将来は就労の機会を得て、社会に全面的に参加できるようになることです」と、3DP4MEの創設者であるジェイソン・ゾロマイヤーは説明します。
カリフォルニアで高給取りの金融の仕事を辞め、中東でボランティア活動をした後、ゾロマイヤーはヨルダンの盲ろう学校で働き、難民キャンプに住む人々に補聴器を提供する手伝いをすることになりました。
リンク先はPHILANTHROPY AGEというサイトの記事になります。(英文)