自分の聞こえを知ろう と題した市民公開講座で香川にお邪魔しました。

自分の聞こえを知ろう と題した市民公開講座で香川にお邪魔しました。

この記事は先日香川県中途失聴・難聴者協会の方からお声がけいただいて
髙松市のかがわ総合リハビリセンターにて市民公開講座でお話させていただいた際の
お話と後日談についてお伝えしています。

<聞こえの三大誤解>

前職で香川県難聴児(者)親の会さんと活動する中で

香川県中途失聴・難聴者協会の湯浅さんと

オンラインで何度かお話していたご縁で今回、香川県高松市の福祉センターにて

『自分の聞こえを知ろう』~意外と知らない『聞こえかた』~

と題してお話をする機会をいただきました。



半年位まえから湯浅さまはじめ、要約筆記をお願いする陰山様と

オンラインでの何度かのお打ち合わせを重ねて

ようやく実際にお会いしてお話出来、

やっぱり実際お会い出来るのが嬉しいなあと思ってしまい、

自分は昔のタイプの人間であることを再認識する機会になりました。



当日来場いただいた香川県の中途失聴・難聴者協会の皆様も

初めてお会いする方ばかりで緊張しましたが、

突然やってきためちゃくちゃ下手な手話交じりの私を

とても優しく迎え入れて下さったおかげで

安心して講座を始める事ができました。



最初にお伝えしたのが、主題「自分の聞こえを知る」の裏にある

聞こえの3大誤解について。

これは完全に私が勝手に名付けて使っているのですが

その3つとは

1)聞こえない人は無音の世界にいる

2)聞こえないのは年のせい

3)補聴器/人工内耳をつければ全部聞こえる

です。



1も2も3も、100人いれば100通りの聞こえかたがある

という事に尽きます。


JINOのHPにも記載しているインフォグラフィックです

 

聞こえる~聞こえにくい~聞こえない という段階に

それぞれグラデーションがあるので、

難聴・ろう という大きな言葉の括りにとらわれ過ぎず、

「ご自身にとってどんな音が聞こえ辛いのか」や

「どんな風になると負担が少ないのか、楽なのか」など、

自分自身の聞こえ方の特性を、

ご自身の感覚だけに頼らず、客観的な数値と照らし合わせて

把握してほしいという思いでいつもお客様とお話しています。



そして器械をつければ全部解決するという誤解も意外とあります。

人工内耳・補聴器等の器械の限界を知っていただいて

会話を工夫したり、補聴援助システムを活用したり

アプリを活用したりなど、幅広い選択肢に目を向けていただきたい

というお話もさせていただきました。


こちらもHPに紹介している様々な選択肢の一例です


人工内耳・補聴器の限界の説明はそれだけでまたなが~くなってしまうのですが

簡単にご紹介しておきます。

聴覚援助機器に載せられているマイクは片耳最大2つです。

リサウンド補聴器さんから3つ目のマイクを耳のあなの手間に置くタイプも出ていますが聴力によっては使用できる方を限定する部分が多少あるため、2つとします。

その片耳2つ(両耳の場合4つ)を使って

難聴の無い人と同じ位の小さい音や遠くから聞こえる音を拾う事が難しいのです。

この話をするときに、天気予報を外で読むアナウンサーさんや

気象予報士さんのマイクの話をします。



あの方たちは口元や胸元の小さく見えるピンマイクで話されているように見えますが

あれにも沢山のマイク機能が内蔵されているうえに

ガンマイクなどの補助があり更に音声さんがいて調整しているから

声だけが聞こえてくるように出来ていて

あれを体に常に身に付けるのは現実出来ではないですよね。とお伝えすると

みなさん、あ~なるほど、というお顔をしてくださいます。



マイクの基本的な知識についてとても解りやすい

島村楽器さんのHPもご紹介しておきますね。

www.shimamura.co.jp


TVの音声のように周りの音を削って人の声だけを取ろうとしたら

これくらいの大きさのマイクや電源、アンプなどの仕組みが必要になるという点が

お分かりいただけたら嬉しいです。



なので限界の目安としては↓の図をよく紹介しています。


こちらもHPで紹介している器械の限界のイメージ図です。

 

こういった器械の特性、そして前述したご本人の特性

それらを照らし合わせてご自身に合った解決策、

対応策を探して行っていただきたいというお話をさせていただきました。



<有難いバトン>
協会の皆様が来場者の方にアンケートを取ってくださり

来場された方の6割が補聴器を、1割が人工内耳を使用中と回答くださったのですが

具体的なご自身の聞こえの具合(聴力の状況)を回答出来ると答えてくださったのは

半分の5割の方でした。

また聞こえの3大誤解をまさに誤解していた、と回答してくださった方がいらしたり

聴覚というものに理解が深まったと回答してくださった方もいらっしゃいました。



更に、講演の様子を会報誌に掲載くださった際に

私がお伝えしたかった「ご自身の聞こえを知ること=放置せず1人で抱え込まないで」

というメッセージを協会の方が受け取ってくださり、

社会的な役割としてバトンをつないで難聴を持つ人と支え合い

情報交換をして励まし合っていく出番だ、という事をおっしゃってくださいました。



社会に聞こえの困難を抱える人の大変さや

どうしたらみんなが健やかな気持ちで過ごせるかを知ってもらうために

大きなうねりを1度で起こすことは難しいですが

こうやって少しずつ、聞こえの課題が社会から無くなっていくよう

また1つ1つ活動を重ねて行きたいなと思う次第です。



改めまして香川県中途失聴・難聴者協会のみなさま

みなさまにお会い出来ましたこと、ステキな機会を頂戴できましたこと

本当にありがとうございました!

みなさまの益々のご活躍をお祈りしております!

記念写真も撮らせていただいたのですが、うっかりもの過ぎで

掲載許可を取らずに帰ってきてしまったため、ご用意いただいた

素敵な手書きの演題を紹介して締めさせていただきます( ;∀;)



こんな素敵な演題もなんと手書きでご用意くださいました✨
またお会い出来る日を楽しみにしております!!

追伸:香川お土産の和三盆や讃岐うどん、たくさんいただいたり買って帰ったりできて幸せでした

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