Volume 184
September 2024, 112069
Afnan F. Bukhari, Faisal Zawawi
要約
背景
本研究は、中等度から重度の聴覚障害を持つ子供たちにおける人工内耳(CI)を使用した場合の生活の質(QoL)を、正常な聴覚を持つ子供たちと比較して評価します。また、聴覚障害の影響と、小児集団におけるCIの効果を探ります。
方法
本研究は、三次医療学術センターで実施された横断的研究で、対象は13~18歳の子供たちです。参加者は、正常聴力群、治療が行われていない中等度以上の聴覚障害群(uHL)、およびCIユーザーの3つのグループに分けられました。人口統計データが収集され、HEAR-QL(聴覚環境と生活の質の反映)質問票を用いてQoLが評価され、さまざまなサブドメインにおけるスコアが比較されました。
結果
選択基準を満たした79人の子供のうち、38%は正常聴力、29%は中等度以上の聴覚障害、33%はCIユーザーでした。HEAR-QLスコアには群間で統計的に有意な差が認められました。正常聴力群が最も高いスコアを報告しました。聴覚状況や学業成績のサブドメインでは、CIユーザーは正常聴力群と有意差がありませんでしたが、治療を受けていないuHL群は低いスコアを示しました。しかし、社会的相互作用や感情的な健康のサブドメインでは、CIユーザーのスコアは正常聴力群より低く、uHL群と類似していました。
結論
CIを使用している子供たちは、聴覚能力において正常な聴力を持つ仲間と同等のQoLを示しますが、心理社会的および感情的な領域において重大な課題に直面しています。これは、CIが聴覚関連の生活の質を改善する一方で、聴覚障害の心理社会的な影響を完全には解消しないことを示しています。
リンク先はScienceDirectというサイトの記事になります。(原文:英語)
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