騒音下での音声認識に対する個人用音声増幅機(PSAP)の利点の個人差: ランダム化クロスオーバー臨床試験

騒音下での音声認識に対する個人用音声増幅機(PSAP)の利点の個人差: ランダム化クロスオーバー臨床試験

目的
高齢化社会は難聴になりやすく、騒がしい環境での会話についていけないなど、生活の質にいくつかの悪影響を及ぼす。

PSAP(Personal Sound Amplification Products)は、従来の高価な補聴器に代わる、より安価な市販の補聴器である。

いくつかの研究ではPSAPが難聴を軽減することが示されているが、一般的に文献は個人間のばらつきを考慮せずに群間差のみを取り上げている。

本研究の目的は、1)PSAPが騒音下での聴力と音声知覚にどのような影響を与えるかを明らかにすること、2)個人間のばらつきを測定し、寄与する人口統計学的要因と健康要因を特定することである。

デザイン
参加者全員を各条件に割り当てるクロスオーバーデザインを用いた。

参加者
正常聴力と軽度難聴を有する60~87歳の成人28名が研究条件を満たした。

介入
1回目はPSAPなしで、もう1回目は両側PSAPありでスピーチインノイズ知覚課題を行った。

2つのセッションは1週間おきに行われ、セッションの順番は参加者間でバランスされた。

主要評価項目
両セッションにおいて、参加者はQuick speech-in-noiseテストと騒音下での単語弁別課題を行い、自己申告による聴取努力を測定した。

結果
PSAPの使用により、両課題において騒音下での音声知覚が改善し、聞き取り努力が軽減された。

個人差が大きく、約60~70%の参加者が効果を示した。年齢、聴力、認知状態は効果の有意な予測因子であった。

結論
PSAPを初めて使用する場合、すべての人が同じ程度PSAPの効果を享受できるわけではなく、これは特定の健康状態や人口統計学的要因、特に年齢、聴力、認知状態によって異なる。

これらの結果は、高齢者における聴覚増幅の有益性を評価する上で、人口統計学的因子と健康因子の重要性を強調するものである。

リンク先はアメリカのPLOS ONEというサイトの記事になります。(英文)
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