主要なポイント
質問
自己調整型の市販(OTC)補聴器は、オーディオロジストによるフィッティングに比べて、長期的な効果が同等であるかどうか?
発見
44名の参加者を対象としたこの比較効果研究では、自己調整型OTC補聴器とオーディオロジストによる補聴器の自己報告による効果に有意な差は見られませんでした。フィッティング後8ヶ月の評価では、Abbreviated Profile of Hearing Aid Benefit(平均差、0.02; Cohen's d, 0.01)やInternational Outcome Inventory for Hearing Aids(平均差、1.5; Cohen's d, 0.3)で差が見られませんでした。
意味
これらの結果は、自己調整型OTC補聴器が軽度から中等度の聴力損失を持つ人々にとって、長期的に効果的な介入オプションである可能性を示唆しています。
概要
重要性
市販(OTC)補聴器への関心が高まる中、従来のオーディオロジストによる補聴器の代替として、長期的な有効性を理解することが重要です。しかし、米国食品医薬品局(FDA)のOTC補聴器の新しいカテゴリーが導入されたばかりで、長期的な有効性に関する証拠は限られています。
目的
自己調整型OTC補聴器の8ヶ月後の自己報告による成果を、オーディオロジストによるフィッティングが行われた同じ補聴器と比較すること。
デザイン、設定、参加者
以前のランダム化臨床試験に基づき、フォローアップの比較効果研究が行われました。参加者は、自己調整型OTC補聴器群とオーディオロジストフィット群に分けられました。約8ヶ月後、参加者は自己報告のアンケートに回答しました。不足データは多重代入法で処理されました。元の非劣性試験は、2022年4月から8月にかけて南アフリカのプレトリア大学で行われました。現在の分析は、2023年7月7日から11月20日まで実施されました。
介入
元の試験では、自己調整型デバイス群はOTC補聴器を受け取り、リモートサポートを受けながら独立して調整しました。オーディオロジストフィット群は、認定オーディオロジストによるベストプラクティスで同じ補聴器をフィッティングされました。
主要な成果と測定
主要な成果は、Abbreviated Profile of Hearing Aid Benefit(APHAB)とInternational Outcome Inventory for Hearing Aids(IOI-HA)を使用して測定された自己報告による補聴器の利点です。
結果
試験参加者のうち、44名が延長研究に含まれました(オーディオロジストフィット群21名(47.7%)、自己調整型群23名(52.3%))。これらの参加者の平均(SD)年齢は63.0(13.2)歳で、21名(47.7%)が男性でした。長期フォローアップでは、APHABグローバルスコア(平均差、0.02 [95% CI, −7.1から7.1]; Cohen's d, 0.01 [95% CI, −0.5から0.5])やIOI-HAトータルスコア(平均差、1.5 [95% CI, −1.4から4.4]; Cohen's d, 0.3 [95% CI, −0.2から0.8])において、自己調整型群とオーディオロジストフィット群に有意な差は見られませんでした。6週間から8ヶ月の間に、APHABグローバルスコアにおいて群間で臨床的に有意なグループ-タイム相互作用は見られませんでした(Cohen's d, 0.1 [95% CI, −0.2から0.3])。しかし、IOI-HAトータルスコアでは有意な相互作用が見られ(Cohen's d, −0.6 [95% CI, −0.8から−0.3])、自己調整型群が一般的により良い結果を示しました。
結論
この比較効果研究は、自己調整型OTC補聴器が軽度から中等度の聴力損失を持つ人々にとって、オーディオロジストフィット補聴器と同等の長期的な利益を提供できることを示しました。
リンク先はJAMA Networkというサイトの記事になります。(原文:英語)