なぜ「政見放送手話通訳者」は減り、「字幕」もないのか? 聴覚障害者の参政権めぐり国会で議論

なぜ「政見放送手話通訳者」は減り、「字幕」もないのか? 聴覚障害者の参政権めぐり国会で議論

速報 2025/03/25 15:58

立候補者が手話通訳者を“威嚇”? 「政見放送を別室で撮影」の案も 国会で対策を協議

 25日、参議院政治改革特別委員会にて「聴覚障害者の参政権」について議論が行われた。

【映像】立候補者による“威嚇”を国会で説明

 共産党の井上哲士議員は国会で「手話通訳は聴覚障害者の参政権にとって欠かすことができない」とした上で政見放送の現状について以下のように述べた。

「総務省の告示によって、衆議院小選挙区選挙のスタジオ録画方式では手話通訳不可となっている。不可の理由は『政見放送の手話通訳は、行政や政治用語の習得をはじめ、高度な技能と経験が必要となるために、手話通訳者を確保できない』が挙げられていた。一方、政見放送の手話通訳を担当することができる政見放送手話通訳者、その登録者数が、2022年は777人、2024年は683人に減っている。政見放送を担当できる手話通訳者の確保のためにも、手話通訳者そのものの裾野を広げることも必要だと考える。聴覚障害者がしっかり政権を知ることができるように、手話通訳者の養成育成支援事業の強化や予算等も必要になると考える」

 与野党で公職選挙法改正2法案を共同提出した立憲民主党の落合貴之議員はこれに同意しつつ「(手話通訳者は)大都市圏にはある程度いるが、地方は著しく不足している。聴覚障害者の参政権を確保するためにも、技術を持った手話通訳者の絶対数の確保は必須だ」と述べた。

 さらに井上議員は政見放送における「字幕付与」の現状についても説明した。

「総務省の公示によって、衆議院では小選挙区は持ち込みビデオ方式では付与できるがスタジオ録画の場合は不可であり、比例代表ではそもそもスタジオ録画のみなので字幕不可となっている。参議院では選挙区は持ち込みビデオ方式では付与できるがスタジオ録画の場合は不可、比例代表はスタジオ録画方式のみだが字幕が可能。参議院の選挙区の場合は政党の公認も推薦もない無所属候補者の場合に持ち込みビデオ方式を選べないので、字幕なしのスタジオ録画方式のみであって、公平性の観点からも問題がある」

 続けて「総務省は2018年12月5日の参議院で『字幕付与の限定』について、『NHKでも人材や機材確保の面で限られた機関にすべての選挙区で対応することが困難な状態にある』と話した。同時に『NHKにおいては可能なところから着手したいというようなことも、サービスを充実させていただきたいと考えていると承知してる』とも答弁をされた。それ以降、6年余りが経っている。例えば参議院は昨年の8月からインターネット審議中継でも音声自動認識で生中継でも字幕がつく。もちろん政見放送は正確性を期さなくてはいけない。しかし一方で、録画収録するものであるため、昨今の技術の進歩を考えれば、全ての場合で政権放送の字幕付与は可能ではないか。NHKからこうしたサービス充実についてどのようなことを聞いているのか?」と追及した。

 これに対して、総務省の笠置隆範選挙部長は「政権放送における手話通訳や字幕の付与については、聴覚に障害のある方などに配慮して、環境が整った選挙から順次導入されており、政見放送ができる選挙においては、手話通訳か字幕の少なくともどちらか一方は付与する現状なっている。その上で、スタジオ録画方式での字幕付与については、参議院の比例代表選挙以外では認められていない。NHKによると、全国のほとんどの放送局では字幕付与に対応できる専門的なノウハウと技術を持った人材や会社が地域にないのが実態で、加えて字幕を付与するための機材の整備などの課題もあり、現状は限られた期間にすべての選挙区で対応することは困難な状況とのことで、事情は変わっていないと聞いている」と回答した。

 これに対し井上議員は少し呆れたような表情で「いやー、これだけ大きく変わって、個人でもやっている。もちろん正確性を期す必要はある。6年余り経って同じことを繰り返している。総務省としてもっともっと積極的に働きかけるべきだ。聴覚障害者で手話ができない方もたくさんいる。正確に伝える点でも私は字幕は本当に必要だと思う。政見放送で手話通訳と字幕付与、両方つけることは必要だと思う」と述べた。

 落合議員は「手話通訳に加えて字幕付与の意義、これは憲法で認められている参政権を実質的に保障するという観点から非常に大切なことであると考えている。より多くの人たちが簡単に字幕をつけられる状況にもなりつつあるので、これも行政は慎重に物事を進めていかなきゃいけない。我々政治家が協議の場で積極的に議論をしていくことが大切だと思う」と述べ、井上議員は「ぜひ実現をしたいと思う」と決意を語った。

(ABEMA NEWS)


リンク先はABEMA TIMESニュースというサイトの記事になります。


 

Back to blog

Leave a comment