2024年11月18日
10月26~27日、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)主催の「サイエンスアゴラ2024」[New window](会場:テレコムセンタービル、日本科学未来館)が開催され、26日に岡山大学病院聴覚支援センターの片岡祐子センター長補佐・准教授をはじめとする片岡AMEDプロジェクトチームが「ろう・難聴者と聴者でインクルーシブ防災を考えよう」のセッション[New window]に登壇しました。
片岡AMEDプロジェクトチームメンバー
本年のサイエンスアゴラのテーマは「サイエンスと共に未来へ~Bound for the future with Science~」で、私たちの身の回りにある身近な科学から、実現がすぐそこまで来ている未来の科学技術までを紹介。片岡准教授らは、ろう・難聴者らの災害時の行動について考え、避難意識を高めることを目的とし、警報音をAIで識別するウェアラブルデバイスアプリ「D-HELO」の活用方法や機能改善を提案。特に、ろう・難聴者との対話を通じて、彼らの視点やニーズを深く理解し、災害時における実際の課題を共有することで、社会の多くの人たちが共感し合い、効果的な避難方法を模索するだけでなく、テクノロジーの力と一人ひとりのインクルーシブ防災に関する意識によって、行動変容と社会変容をもたらす取り組みを推進しています。片岡准教授らは、会場の参加者とともに「D-HELO」の使い勝手や機能のあり方など、活発な意見交換を行いました。また、参加者だけではなく報道関係者も取材に訪れるなど、会場全体が活気に満ちたセッションとなりました。
取り組みを紹介する片岡准教授(左)
今回のセッションについて片岡准教授は、「サイエンスアゴラは私たちチームの目標でもあり、感慨を覚えています。開発を経て、今は当事者・支援者と意見を交わしながら意識を変え、社会を創っていくフェーズにいると感じます。多くの人とともに“誰一人取り残さない社会”の実現を目指していきたい」とコメントしました。
ウェアラブルデバイスアプリ「D-HELO」について議論する参加者
本学は、岡山大学長期ビジョン2050「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現に向けて、さまざまな取り組みを推進していますが、そのひとつにヘルスケアが挙げられます。8月の本学定例記者会見では、片岡准教授らの取り組みである「産官学多職種連携で挑む高齢者ヒアリングヘルスの向上方略」[PDF]を那須保友学長らが紹介しました。世界に例を見ない高齢社会のわが国において、ろう・難聴者へのヒアリングヘルスを従来の医療対応だけではなく、テクノロジーを活用した産官学多職種連携で社会変革を進めています。引き続き、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学、そして片岡准教授らの取り組みにご期待ください。
ウェアラブルデバイスアプリ「D-HELO」
<参考>
・片岡講師がAMED「令和4年度障害者対策総合研究開発事業(その他)(身体・知的等障害分野/感覚器障害分野)」に採択
・「リスニング・エフォート」など、最新の聴覚・補聴研究を伝えるオンデマンド動画「きこえのミライ シーズン2」配信開始~聴覚研究先進国・デンマークで収録~
・岡山大学SDGs推進表彰2023を受賞した「難聴児に対する医療・教育連携に向けた取り組み」を発表
<参考動画>
・岡山発!災害時から聴覚障害者の「命を守るアプリ」実用化へ…安心できる暮らしを目指す“アイデア”集まる(OHK岡山放送)[New window]
【本件問い合わせ先】
岡山大学病院聴覚支援センター センター長補佐・准教授 片岡祐子
TEL:086-235-7307
E-mail:yu-kat◎cc.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
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