この記事では、猫と接する際に知っておきたい、猫の聴覚に関する“トリビア”を哺乳動物学者 今泉忠明先生に伺いました。猫の聴覚について正しく理解し、それにあった接し方を取り入れれば、猫の暮らしは今よりもっと楽しくなるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
猫は鳥やネズミなどが出す超音波も聞き取ることができる
猫が野生時代に獲物を捕まえたり、敵を察知したりできたのは、鳥やネズミが出す高い鳴き声や超音波(2万ヘルツ以上)をキャッチできる優れた聴覚があったからです。
そんな猫の可聴域は45~6万4000ヘルツとされ、人の約3倍の音域を聞き取ることができると考えられています。また、猫の耳の根元には発達した約30本(人の約5倍)の筋肉があり、耳を自在に動かすことによって音源を捉え、その位置や正体を探り当てることもできます。
猫は高周波の音楽を好む傾向がある
可聴域の広い猫は、モーツァルトの曲を好むという説があります。その理由は、モーツァルトの曲が高周波を多く含んでいるから。猫の獲物である小動物の鳴き声も、高周波・超音波と考えられています。
なお、猫の音楽の好みについては個体差が大きいですが、総じて静かなクラシック系の音楽を好む傾向があるようです。ハードロックやヘビーメタルのような音量・音圧ともに大きな音楽は、猫には刺激が強すぎるのかもしれません。
猫が出すゴロゴロ音は猫にも人にも癒やし効果がある
猫はリラックスすると、ゴロゴロとのどを鳴らすことがありますが、このゴロゴロ音には猫も人も癒やす効果があるようです。
猫の出す低周波のゴロゴロ音は、副交感神経を優位にする働きがあり、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを分泌する効果があると考えられています。
猫は自分の名前を認知している
れまでのさまざまな研究で、猫は自分の名前を認知しているという報告があります。
名前を呼んでも、猫の反応は「わかっていますよ」と耳を動かす程度かもしれませんが、これも立派なコミュニケーションです。
今回は、猫の聴覚にまつわるトリビアを4つご紹介しました。猫の聴覚について理解を深めて、よりよい生活環境を整えてあげられるとよいですね。
参考/「ねこのきもち」2023年11月号『猫ならではの「五感」にアプローチ キャットセンスを磨こう!』(監修:哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生、帝京科学大学講師 愛玩動物看護師 小野寺温先生)
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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