夏の異常な暑さからすっかり開放され、急激に朝晩の冷え込みが厳しくなった近頃。
頻繁ではないが、時々「耳鳴り」に悩まされている…なんて人はいないだろうか?
実は秋は、耳のトラブルが起こりやすい季節でもある。特に耳鳴りは健康な人でも起こることは珍しくないが、ただの耳鳴りと思って放置するとめまいや頭痛を引き起こすこともあるので注意が必要だ。
慢性的な耳鳴りは病気のサインである可能性もある。
そこで今回の記事では、秋に起こりがちな耳鳴りの原因や発症時の対処法についてまとめた。
秋は耳のトラブルが増える季節?
日本では、秋から冬にかけて耳鳴りや難聴が悪化しやすいといわれている。
他にも、この時期に起こりやすいとされる耳のトラブルは以下だ。
【秋~冬に起こりがちな耳のトラブル】
● 耳鳴りの発症、悪化
● 難聴の悪化
● 耳詰まり(耳閉感)
● 耳のむくみ など
例えば耳鳴りと耳閉感など、同時多発的に現れることもある。
ただし、原因は多岐にわたるため一概に季節性のものとはいいきれない。
例えばトンネルを通過したとき、飛行機の離着陸のとき、うるさい場所から静かな部屋などへ入った瞬間など、季節を問わず耳鳴りは日常的に起こり得る。
耳鳴りが発症・悪化しやすい気候条件
では、特にこの時期に耳鳴りが発症・悪化しやすいといわれるのはなぜなのだろうか?
(1)気温が低い(寒い)
気温が低いと耳の血流が悪くなり、耳鳴りの悪化や難聴などを招きやすくなる。
例年、寒い時期になると手先や足先などの末端が冷えるという人はいないだろうか?
これは人間の身体が寒さを感じて血管を収縮させ、体内の熱を逃がさないようにしているためだ。
血管が収縮すると血流が悪くなり、血行不良が起こりやすくなる。
すると、毛細血管まで上手く血液や酸素が行きわたらなくなり、手先や足先などの末端の血液が不足し冷えが生じてしまうのだ。
耳の場合、「外耳」と呼ばれる外側部分の脂肪が少なく特に外気温の影響を受けやすい。
秋から冬の寒い季節に、耳が痛いほど冷たくなったという経験のある人も多いだろう。
耳全体の血流が悪くなると血液や酸素などが十分に器官に行きわたらず、聴力が低下する傾向にある。
そうすると脳は感度を上げてわずかな音も拾おうとするのだが、脳が過敏に音を拾ってしまうために耳鳴りがひどくなってしまうことがあるのだ。
(2)寒暖差が激しい
耳鳴りは、寒さだけでなく寒暖差によって発症・悪化してしまうことがある。
寒暖差が耳に影響を及ぼすのは、主に自律神経の乱れが原因だ。
自律神経とは
身体の内外の情報を受け取り、体温・呼吸・血圧・消化など生命維持のために必要な体内プロセスを調整する役割を持つ。本人の意思とは関係なく大脳からの命令で自律的に働く。
自律神経には、外気温に合わせて体温調節をする働きもある。
そのため、短期間で激しい気温変化を繰り返すとオーバーワーク気味になり、バランスが崩れてしまうことがあるのだ。
自律神経は全身のほとんどの臓器に影響を及ぼすため、自律神経の乱れは心身の不調に繋がる「万病のもと」ともいわれる。
耳鳴りや耳の痛み、耳の不快感、難聴などの耳のトラブル以外に、頭痛やめまい、倦怠感、睡眠障害、精神的な症状なども自律神経の乱れが原因となることがある。
寒暖差は季節問わず起こることがあるが、夏から秋、秋から冬など季節の変わり目は特に気をつけたいシーズンだ。
日ごとの気温差が大きいことに加え、1日のなかでも朝晩の気温差が10℃以上という日も珍しくないためだ。
(3)気圧の変化が大きい
詳細なメカニズムはまだ解明されていないが、耳鳴りなどの耳の症状と気圧は関係することがわかっている。
耳の不調の原因の1つである自律神経の乱れが気圧変化によっても引き起こされることはよく知られているが、その気圧を感知する器官というのが耳の奥にあるためだ。
「内耳」と呼ばれるその器官は、気圧を感じ取るセンサーの役割を持っている。
内耳で感じ取った気圧の情報が神経を通じて脳に伝達され、それを受けた脳が自律神経を働かせ、身体を環境に適応させる仕組みだ。
しかしあまりに急激な気圧変化が起こると内耳のセンサーが過敏に働きすぎてしまい、自律神経の乱れに繋がってしまう。
特に雨や台風など天気か崩れる直前の、気圧が急降下するシーンでは要注意だ。
気圧の急変や低気圧によって耳鳴りや耳閉感、めまいなどの症状を感じる人は少なくない。
ちなみに、気温や気圧などの気候が影響して起こる心身の不調は「気象病(天気痛)」などと総称され、耳鳴りなどの耳のトラブルもこれに含まれる。
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(中略)
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