概要
聴力閾値は、聴覚クリニックにおける最も標準的な評価である。
しかし、聴力障害を自覚して聴覚診療を求める成人患者の10%程度は、閾値が正常である。
現在、聴覚情報処理障害（APD）の診断評価は、このような患者層に対する数少ない有効な治療方法の1つであるが、紹介するための標準的なガイドラインは存在しない。
ここでは、APDの検査項目の中から、成人のAPD患者を紹介するための迅速なスクリーニングを提供できるAPD 検査バッテリー内の検査を特定した
まず、ピッツバーグ大学医療センター（UPMC）の聴覚データベースの記録を分析し、聴力学的閾値が正常であるにもかかわらず、聴力障害を自己認識している成人患者を同定した。
次に、APD検査のために紹介された患者を調べ、検査成績、相関関係、分類精度を検討した。
その結果、患者は二分音域の検査で最も困難な経験をした。
さらに、感度と特異度から算出した分類精度から、word-in-noise（WIN）、Random Dichotic Digits Task（RDDT）、Quick Speech in Noise（QuickSIN）検査が最も高い分類精度を示した。
これらの検査を追加することで、APD評価とその治療計画のために紹介される可能性のある成人患者を特定するための、日常的な聴覚評価における迅速なスクリーニング検査として、最も有望である。
リンク先はScientific Reportsというサイトの記事になります。（英文）
