人工内耳挿入後の機器故障の経験

人工内耳挿入後の機器故障の経験

背景
本研究では、人工内耳装用後に機器の故障を経験した3次医療機関における患者の治療について述べるとともに、機器の故障のタイムリーな特定と管理に役立つ可能性のある前駆症状の特定について説明する。

研究計画
レトロスペクティブデータベースレビュー(2000年1月~2017年5月)。

設定
単一の3次病院。

方法
記録された因子は、難聴の病因、人工内耳の初回および再手術時の年齢、手術時間およびアプローチを含む手術情報、植込み後の電気的転帰、植込みされたデバイス、デバイス故障の症状、頭部外傷の既往歴、および聴力成績(CAP)のカテゴリーによって決定される聴力学的転帰などであった。

結果
2000年1月から2017年5月までに1431例の人工内耳が施行され、27例(1.9%)がデバイスの故障により再手術を受けた。
難聴の病因は特発性(12/27)が最も多く、次いで蝸牛低形成(5/27)であった。
初回人工内耳装用時の平均年齢は11.8歳(1-72歳)で、21人がプレリンガル、6人がポストリンガルであった。
最初に植え込まれた全器具のうち、80.5%がCochlear社製、15.9%がMED-EL社製、3.5%がAdvanced Bionics社製であった。
これらの装置の故障率は、それぞれ1.3%、3.1%、10.0%であった。
装置の故障を最も示唆する症状は、信号の断続的な消失であった。
平均CAPスコアは、再移植前は5.17、再移植後1年および3年ではそれぞれ5.54および5.81であった。

結論
機器故障に先行する最も示唆的な症状は間欠的な信号消失であった。
この症状を呈する患者は、装置故障を疑って電気的検査を受けるべきである。
聴力学的転帰は、再手術にもかかわらず継続的な改善を示した。

リンク先はBMC Part of Springer Natureというサイトの記事になります。(英文)
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