ドラマや映画、増える障害者の当事者起用 「手引」で安心して撮影を

ドラマや映画、増える障害者の当事者起用 「手引」で安心して撮影を

毎日新聞
2025/3/22 11:44(最終更新 3/22 18:23)

「障害がある俳優の活動を促進・サポートするための手引き」を作成した藤井清美さん(右)と筑波大の大村美保助教=東京都内で2025年3月19日午後6時15分、御園生枝里撮影

「障害がある俳優の活動を促進・サポートするための手引き」を作成した藤井清美さん(右)と筑波大の大村美保助教=東京都内で2025年3月19日午後6時15分、御園生枝里撮影


 障害のある役を当事者が演じる「当事者キャスティング」が増えている中、脚本家・演出家の藤井清美さん(53)らが制作側と演者側のどちらにも安心して撮影に臨んでもらうための手引を作成した。

 2022年の米アカデミー賞では、聴覚障害者の俳優が同じ障害がある人の役を演じて助演男優賞を受賞。日本のテレビドラマや映画でも「当事者キャスティング」が増えている。

 藤井さんは、原田泰造さん主演、24年放送のドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」の脚本を担当。映画や演劇でも多くの作品で脚本、演出を手掛けてきた。

障害者専門の芸能プロダクション「アヴニール」のレッスンの様子=東京都新宿区で、最上聡撮影

障害者専門の芸能プロダクション「アヴニール」のレッスンの様子=東京都新宿区で、最上聡撮影


 3年ほど前、障害者専門の芸能プロダクションから、演者の指導依頼を受けたことを機に、手引の必要性を感じ、障害者福祉の専門家ら5人の助言を得ながら作った。

 手引では、演者への必要な配慮について共有する「情報提供シート」の活用を紹介。苦手なことだけでなく、「10分前に口頭だけでなく文章でも教えてほしい」など、対処策を記入してもらうこともアドバイスする。

 制作現場では、「適当に」「あの辺で」といったあいまいな表現を避けて、明確かつ簡潔に伝える重要性を説く。着替えや移動の段取りも、一つずつ、演者の様子を見ながら丁寧に伝えることを提唱する。

レッスンで障害者らを指導する脚本家・演出家の藤井清美さん(左)=東京都新宿区で、最上聡撮影

レッスンで障害者らを指導する脚本家・演出家の藤井清美さん(左)=東京都新宿区で、最上聡撮影


 米ハリウッドの取り組みを参考に、同じ目線で関わる▽年齢相応に接する▽関わり方がわからなければ本人に聞く▽障害は目に見えるものだけではない――など、八つの視点を持つことも推奨する。

 筑波大の大村美保助教(51)は「八つの視点は障害の有無に関わらず、学校や職場など、さまざまな場面で活用できる」と話す。

 手引は、制作現場での事例を反映し、適宜更新する予定で、ウェブサイトでダウンロードできる。藤井さんは「当事者キャスティングは増えているものの、まだ、障害を理由に俳優を目指すことを諦める人がいるのも現実だ。手引を読んで、制作側、演者側のそれぞれが、何が自分にできるかを考えるきっかけになれば」と話す。【御園生枝里】


リンク先は毎日新聞というサイトの記事になります。


 

Back to blog

Leave a comment