手話を学び、会話楽しむ手話カフェ 箱崎のリンゴ飴店で週1日開業

手話を学び、会話楽しむ手話カフェ 箱崎のリンゴ飴店で週1日開業

手話と筆談で接客する手話カフェ「しゅわっぷる」が10月、福岡市東区の箱崎商店街にオープンした。

手話や筆談で自由に会話を楽しんでもらいながら、難聴への理解も広がってほしい――。

週1回開店する小さな店には、そんな願いも込められている。

最大10席ほどの店舗は、つり下げられた電球のあたたかな光に包まれる。訪れるのは、日常的に手話を使う人や手話を学ぶ人が大半だ。

運営するのは、難聴者が働くリンゴ飴(あめ)専門店「あっぷりてぃ」を同じ場所で経営する梶本真佑さん(42)。

聴覚障害のある人や手話を学びたい人が交流できる場にしようと、あっぷりてぃの定休日である毎週水曜日に、手話カフェとして店を開けることにした。

梶本さんの妻で、難聴者の由美子さん(45)が店長を務める。

あっぷりてぃはリンゴ飴の店頭販売が中心なのに対し、しゅわっぷるではコーヒーやジュースなど店内で飲食できるメニューを充実させ、カフェとして運営している。

開店の日、宮崎県日南市の中学2年生、小川桃子さん(13)が「手話でのやりとりを学びたい」と最初に入店した。

コロナ禍で長い自粛期間があった小学生のころ、「人の役に立てることをしたい」と、動画投稿サイトなどで手話を学び始めたという。

小川さんは聴覚障害のある来客者らと手話で交流し、「日常的に手話を使う人の動きは速くて読み取るのが難しいけど、たくさん勉強できた」と話す。

将来は手話を使った職業を目指しているという。

店長の由美子さんも、手話を学んでいる人や難聴のある人たちと交流。

「朝からずっと緊張していたけど、お客様の楽しそうな顔をみられて私もすごく楽しい」と笑顔だった。

長女の楓夏(ふうか)さん(12)も難聴者で、夫婦は娘の将来のためにも、難聴への理解者が一人でも増えることを願っている。

真佑さんは「来客がたとえゼロでも、毎週開け続けたい」と語る。

箱崎商店街は近くにあった九州大学箱崎キャンパスの移転で客層が変わり、新しい街づくりが模索されているエリアだ。

カフェの営業時間は毎週水曜正午~午後3時。問い合わせはあっぷりてぃHP(https://appretty.net/別ウインドウで開きます)のフォームへ。(松本江里加)

リンク先は朝日新聞DIGITALというサイトの記事になります。
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