身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
今回のテーマは「~放置すると認知症の原因に!?~“聞こえの悪さ”と付き合う方法」
耳の聞こえが悪い人は、50歳を超えたあたりから徐々に増え始め65歳を過ぎると急激に増えるといわれています。
聞こえにくくなるのは避けられない事ですが、放置していると日常生活に支障が出るだけでなく、認知症につながる恐れもあるのだとか。
そこで今回は、聞こえの悪さと上手に付き合う方法を専門医に教えてもらいました。
10秒でできる!「聞こえの悪さ」簡単チェック
▼親指と人差し指を擦り 音を出す
▼そのまま両耳にあて少しずつ離す
▼音が聞こえなくなった所で手を止める
先生曰く50~60センチ(軽くひじを伸ばす程度)くらいまで聞こえる場合は問題ないとの事。
それ以下の場合は2000ヘルツ以上の難聴があるかもしれないそうです。(※2000ヘルツの音=小鳥のさえずり)
加齢で聞こえが悪くなる“加齢性難聴”について
<音が聞こえるメカニズム>
耳から入ってきた音は、鼓膜を振動させその振動が耳の奥にある渦巻き状の「蝸牛」という器官に伝わります。
蝸牛で振動は電気信号に変換され、脳で音として感じる事ができるそうです。
<加齢で聞こえが悪くなる理由>
蝸牛の中には有毛細胞という毛があり、これが微妙な音の振動を正確に電気信号に変換してくれています。
しかし、加齢に伴い有毛細胞がはがれたり折れたりして減少してしまうのだとか。
有毛細胞は場所によって認識する音が違い、高い音を認識する場所から減っていくため、先に高い音が聞こえにくくなってしまうといいます。
これが、避けては通れない聞こえの悪さ「加齢性難聴」だそうです。
<「1時」と「7時」聴き間違える理由>
先生によると、加齢性難聴になると、体温計の“ピピッ”という電子音などが聞こえにくくなるとの事。
さらに、カ行・サ行・タ行・ハ行の声帯を使わない音域が聞き取りにくくなるので、7時(シチジ)を1時(イチジ)と聴き間違えやすくなってしまうそうです。
加齢性難聴と認知症の関係
2017年、世界5大医学雑誌の一つランセットが『認知症の予防できるリスク要因のうち最大のものが難聴』だと発表しました。
その原因は、耳の聞こえが悪くなった事で起こる人とのコミュニケーション不足や孤立。
音の刺激や脳に伝えられる情報量が少なくなると、脳の萎縮や神経細胞が弱まり、認知症の発症に大きく影響する事が明らかになってきたそうです。
加齢性難聴を悪化させない方法
先生によると、加齢性難聴を悪化させないためには、長時間大音量で音を聞かない事が大切だそうです。
耳への負担を減らすためイヤホンで音楽などを長時間聞かないように心がけましょう。
意外と知らない加齢性難聴の原因「メタボ」
耳の中には多くの血管があります。
メタボが原因で動脈硬化が起きると、酸素や栄養が届かず、健康な人に比べて有毛細胞の機能が早く低下し、加齢性難聴が進行しやすくなってしまうそうです。
年齢に関わらず起きる難聴
<突発性難聴>
突発性難聴とは急に片方の耳の聞こえが悪くなる病気。明確な原因は分かっていませんが、不眠・疲れ・ストレスなどによる血流障害などと考えられているのだとか。
放置すると有毛細胞に障害が起きる可能性があるので、異変を感じたら早めに専門医に診てもらいましょう。
<騒音性難聴・音響外傷>
騒音性難聴や音響外傷は、イヤホンなどを使い大音量で長時間音楽を聞いたり、瞬間的に極端に大きい音が耳に入ったりする事で発症するのだとか。
先生によると、1時間に1回はイヤホンを外して耳を休めると難聴の予防になるそうです。
加齢性難聴の対処法「補聴器」
加齢性難聴の対処法はズバリ「補聴器」だそうです。
先生によると、補聴器を使う際には補聴器の微調整や、感じる音を脳でも調整する事がとても重要で、調整には最低でも2か月はかかるのだとか。
そのため、根気よく向き合う必要があるそうです。
しかし、聞こえの健康は生活の質の向上と豊かな人生を送る上でとても重要なので、少しでも聞こえにくさを感じたらなるべく早めに補聴器の使用を検討してほしいとの事です。
また、本体価格は片耳15~60万程度と幅広く、2018年から医療費控除が受けられるようになったそうなので、詳しくは専門機関に相談してみて下さい。
(2022年12月18日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
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