生後9か月未満の小児への人工内耳: 安全性と有効性

生後9か月未満の小児への人工内耳: 安全性と有効性

要旨

目的
生後9ヵ月未満の小児における人工内耳(CI)の安全性を評価し、予想される術後合併症発生率をよりよく理解するとともに、有効性の予備的検討を行うこと。

研究デザイン
単一施設のレトロスペクティブレビュー。

設定
三次紹介施設。

対象患者
2011年から2021年の間に人工内耳を受けた生後5~8ヵ月の小児。

介入
治療的CI。

主要アウトカム評価項目
主要アウトカムは術後6ヵ月の合併症発生率。

副次的アウトカムは、入院期間、デバイスの抜去/再植、リハビリテーション支援、聴力と言語のアウトカムなどであった。

生後9ヵ月未満で植え込まれた小児の合併症を、2011年から2016年の間に植え込まれた生後9ヵ月から18ヵ月の小児のコホートとカイ二乗検定を用いて比較した(p<0.05)。

結果
平均年齢6.6ヵ月(範囲:5~8ヵ月)で、生後9ヵ月未満の小児1006例が植え込まれた(CI204例)。

術後合併症は28例(26%)にみられ、多くは軽微であった。死亡例はなかった。

生後9ヵ月未満で植え込まれた患者と、生後9ヵ月から18ヵ月で植え込まれた患者の間で、再植込み率を含む合併症に統計学的有意差はなかった。

音声弁別の成績は良好であり、平均音声言語成績は定型発達児の標準値に近かった。

結論
人工内耳は、生後5~8ヶ月の小児にとって安全で効果的な治療法である。

早期に聴覚スクリーニングを行い、適切な介入を受けられるよう乳幼児を紹介することは、言語発達を最適化する上で今後も重要な役割を果たすであろう。

© 2023, Otology & Neurotology, Inc.

リンク先はOTOLOGY&NEUROTOLOGYというサイトの記事になります。(原文:英語)

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