補聴器と人工内耳のどちらが良いかは、それぞれの聞こえが一人ひとり異なるため一概には言えません。
人工内耳は補聴器で装用効果が十分に得られない方に対する聴覚獲得法で、その有効性には個人差があります。
補聴器は外科的手術は不要ですが、人工内耳は手術で内耳と頭部の皮下に機械を埋め込みます。
手術が必要となるため、日本耳鼻咽喉科学会が人工内耳をつけてよいか判断をするための適応基準を小児と成人に分けて取り決めています。
従って、人工内耳は希望すれば誰でも装用できるわけではありません。
小児人工内耳適応基準(2014年)(日本耳鼻咽喉科学会HP)
成人人工内耳適応基準(2017年)(日本耳鼻咽喉科学会HP)
また、手術直後から完全に聞こえるわけではなく、人工内耳を通して初めて聞く音はロボットが話すような機械的な音で、継続して聞き取りの訓練を行うことで、徐々に言葉が聞き取れるようになってきます。
そして、ここも大きなポイントになりますが、人工内耳を一度装用したら補聴器に戻すことはできません。
小児の場合は、人工内耳が音声コミュニケーションを用いる選択である以上、手話などの音声を用いないコミュニケーションの選択についても知っておく必要があります。
また、進歩が著しい再生医療や遺伝子治療についても情報を入手しておくことよいでしょう。
病院の先生や言語聴覚士の方に納得いくまでご説明を受けられることをお勧めします。
補聴器、人工内耳、またはそれ以外のコミュニケーション方法、それぞれのメリット・デメリットをしっかりと比較し、また長期的な視点も持って選択することをお勧めします。
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