小学3年生・コーダの少女が参加 「伝える」コンサート

小学3年生・コーダの少女が参加 「伝える」コンサート

両手を上げる逢花さんと美玖さん

2024/08/07 (水) 16:30

ピアノ教室にやってきたのは小学3年生の鈴木逢花さん。

逢花さん
「ピアノを弾くのがとにかく楽しい」

5人家族の逢花さん。両親は聴覚に障害があり家族の会話は手話が中心です。

「聞こえない世界と聞こえる世界の間にいるから別にそれが私にとっては当たり前。別に気を使うほど特別なことじゃないからなんで?って思う」

そう話す逢花さん。聞こえない世界を知ってもらうため、ある活動に参加しました。

8月4日、逢花さんたちの姿は福岡市南区のホールにありました。あるコンサートに出演します。そこで披露するのが手話と歌を組み合わせた「手話歌」です。

「聞こえる人と聞こえない人で分かれて、手話ができない人は手をつなぐ」
「(Q逢花ちゃんたちは)手話」

隣にいるのは小学1年生・妹の美玖さんです。この日のために集まった約40人の「スマイル合唱団」耳の聞こえる人も聞こえない人もみんなで練習を重ねました。この手話を監修したのが2人の父親・鈴木玲雄さん。玲雄さんは難聴者。これまで舞台の手話通訳の監修などを行ってきましたが、今回は苦労したと話します。

鈴木玲雄さん
「相談があった時に手話の歌。う~んっていろいろ悩むことがあった」

生まれた時から聴覚に障害のある人が「音楽」をイメージすることは非常に困難です。鈴木さんは、以前は耳が聞こえていて、「1人でも多くの人に聞こえない世界を知ってほしい」という思いから依頼を引き受けました。

また、こうした活動に娘たちを参加させるのにも特別な思いがあります。

「僕が障害とかなかったらこういうイベントに連れていくことはあんまりないと思う。視野を広げてほしいという意味で参加させたかった」

今回、手話歌を提案したのが主催者の北條さん。参加した子供達に交流を通して
さまざまな価値観に触れてほしいという思いから生まれました。

NPO法人 ミュージック ゲイト 北條美津江さん
「声かけても聞こえないからとんとんと(体に触れないと)いけないとかそういうのも分かって想像以上の交流が生まれたと思っている」

逢花さん
「1時間待つけどめっちゃドキドキしてる」
美玖さん
「今は余裕だけど出たらあんまり余裕じゃない」

今月4日に福岡市南区で開かれたコンサート。耳の聞こえない人たちも参加します。そのため「音」以外で音楽を感じてもらう仕組みを取り入れました。
それが「風船」
本番前に記者が体験させてもらいました。

記者
「太鼓の音に合わせて震える。太鼓の音が強くなると揺れが大きくなる。太鼓の音の強弱が風船にも伝わる」

いよいよ本番が始まりました。和太鼓の力強い演奏に三味線・バイオリン・キーボードの三重奏など迫力のある演奏が繰り広げられます。字幕や手話通訳など聞こえない人のために工夫も凝らされています。それでも耳の聞こえない人たちには少し難しい部分も。

みんなが一緒に楽しめたのが「手話歌」
ステージの真ん中で笑顔を見せる逢花さんと美玖さん。周りが手をつないで歌っているパートでも聞こえない人たちと一緒に手話を披露しました。

逢花さん
「強がりとか憎しみとか理屈とか結構難しい手話がいっぱい出てきた」
美玖さん
「ちょっと緊張した」
手話歌の参加者
「難しかったけどそれができてうれしかった」

来場した子供たちにも手話の楽しさは伝わったようです。

来場した子供
「楽しかった(手話で)ありがとうを覚えた」

「聞こえる」ということも「聞こえない」ということも関係なく、みんなが笑顔で
楽しめる世界が広がっていました。


リンク先はテレQというサイトの記事になります。
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