アメリカのサンフランシスコで開催されているGDC 2024にて,「Hearing Health in Video Games」という“ゲーマーの聴覚”に関するセッションが行われていた。
直訳すると「ビデオゲームにおける聴覚の健康」というセッション名になるが,内容もそのまま。ゲームのプレイによって聴覚の健康に影響を与える要因や問題,そしてWHOにおける現在の取り組みについて説明するもので,ゲームを楽しむプレイヤーに聴覚の健康について理解を深めてもらおうというものになっていた。
PCやコンシューマ機,スマートフォンなど,さまざまなプラットフォームで,いつでもどこでも楽しめるゲーム。スタジアムで大きな大会が開かれるプロeスポーツとして盛り上がったり,個性豊かなインフルエンサーたちがオンラインを通してプレイの様子を配信したりすることもある。
その人気の高さは,エンターテインメントの中心と言っても過言ではないのだが,そんな中で,ゲーム業界がリスニングセーフティに関する問題をよりよく認識すべきという声が上がっているのをご存知だろうか。
2024年1月16日,世界保健機関(WHO)と研究者が「ゲーマーは,騒音による聴力の損失やそのほかの聴覚障害を発症する危険に曝されている」と警告した。
デジタルメディアがあふれる現代,聴覚(や視覚)について注意すべきことはゲームに限らないが,それらを趣味や生きがいとする我々としてはやはり見逃せない問題だろう。
ということで,本セッションで語られたものの中から,我々ゲーマーが気にしておくべきポイントをまとめてみた。
まずは,ゲーマーが陥りやすいことして挙げられたのが,「週に長時間プレイする」「大音量でのプレイ」「ヘッドホンを着用してのプレイ」の3つ。
特に「大音量でのプレイ」「ヘッドホンを着用してのプレイ」のふたつは“合わせ技”になりがちで,適切な音量設定を意識していても,大迫力のサウンドを楽しみたいという気持ちから,ついついボリュームを上げてしまうことも。
これは,「ボリュームを制限するとゲームの楽しみも軽減されるのではないか」という個人の見解(信念?)や,聴覚障害に対する意識の低さも関係していると思われる。
現状は,ゲーマーたちの聴覚障害への関心がまだまだ低いため,まずは知識を得ることやそれを話し合い共有することが重要なのだとか。
PCやコンシューマ機,スマートフォンなど,それぞれで設定できる聴覚に関するアクセシビリティ機能のように,すでにゲーム業界やメーカーはさまざまな形でこの問題に取り組んでいるので,まずは自分自身の周りにあるものから知ってみるのがいいかもしれない。
4Gamerでは,アクセシビリティ機能に関する記事を過去にいくつか掲載しているので,こちらもぜひ参考にしてほしい。
リンク先は4Gamer.netというサイトの記事になります。