正常な聴力検査を受けた人の加齢に伴う聴力障害に対する蝸牛シナプソパシーと抑制低下の相対的寄与度

正常な聴力検査を受けた人の加齢に伴う聴力障害に対する蝸牛シナプソパシーと抑制低下の相対的寄与度

要旨
高齢者では、臨床的に聴力検査が正常であっても、聴覚の時間的処理に障害があり、騒音下での発話が明瞭でないことがよくある。

このような問題の原因は依然として不明である。

いくつかの研究では、聴力検査が正常な人の場合、加齢に伴う聴覚障害は認知機能の低下によるものである可能性が示唆されており、また他の研究では、蝸牛シナプトパシーによるものである可能性が示唆されている。

ここでは、加齢に伴う聴覚障害は抑制機能の低下と関連しているという代替仮説を検討する。

正常な聴力と正常な認知機能を有し、適度に広い年齢範囲(25-59歳)をカバーするように選択された成人(N = 30)を対象に、音節のない単語に対する騒音下での音声受信閾値(SRTN)、ギャップ検出閾値(GDT)、周波数変調検出閾値(FMDT)を測定した。

また、蝸牛シナプソパシーの間接的指標として、聴覚脳幹反応wave-I振幅のレベル上昇に伴う成長率(傾き)、抑制の代用としてストループ色彩単語テスト(SCWT)における干渉抑制スコアを測定した。

予想通り、聴覚課題の成績は加齢とともに悪化し(SRTN、GDT、FMDTが増加)、wave-I slopeとSCWTの干渉抑制スコアは低下した。

重要なことは、SRTNs、GDTs、FMDTsはwave-I slopeとは無関係であったが、SCWT抑制の低下とともに悪化したことである。

さらに、SCWT抑制の影響を除外すると、年齢とSRTNやGDTとの関連はなくなり、FMDTとの関連は薄くなった。

以上の結果から、正常な聴力値を持つ人の場合、加齢に伴う聴覚的時間処理と雑音下での音声明瞭度の障害は、蝸牛シナプトパシーではなく、抑制の低下によって媒介されることが示唆された。

(中略)

リンク先はSageJournalsというサイトの記事になります。(原文:英語)

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