もりけんさん(航空会社勤務)
右耳 | 左耳 | |
平均聴力 | 100 dB | 100 dB |
補聴機器 | 補聴器(フォナック社) | 人工内耳(コクレア社) |
支援機器 | ロジャー & 音声文字化アプリ | |
手話の使用 | はい |
【質問】あなたが自身で大切にしている人生の価値観を教えてください。
私が大切にしている人生の価値観は、「みんなちがって、みんないい」という個性尊重の念です。
同じ聴覚障がいを持つ仲間にも多様な特徴と生い立ちによって、それぞれに大切にしている価値観があることを忘れずに、自身のまだ知らない世界を広げていこうと考えています。
より多様性を認め合い、きこえの度合いに関わらずお互いが気持ちよく過ごしていくためには大切な考えだと思っています。
【質問】あなたの聞こえの課題(聞こえに関して困っていること)を教えてください。
- 今でも、手話を使わない相手と初対面で話をする時は緊張することが多いです。(きちんとコミュニケーションを取れるのか、、、自分の声は大丈夫なのか、、、)
- 自分自身が相手ときちんと話せていると分かるまでは困ったり、疲れたりすることがあります。
- 機械の音が苦手なため、よくアラート音やアナウンスが聞こえなくて乗り過ごしたり、情報に気づかない時があります。
- 騒音下での会話が難しく、屋外で風の強い時は話ができない時があります。気まずいです。
- 発話ができるので、聞こえていると勘違いされてしまい、話の途中から話すスピードが早くなること、でも話に追いつけないので結局一人ぼっちになります。
- 重大な事態に陥った時に一人で動けるのか不安になることがあります。
【質問】聞こえの課題に対して自分で対応していることを教えてください。
- 一番見渡せる席に座り、誰が話しているのかを把握しやすくします。
- 長時間・期間仕事を一緒にする仲間には初対面の段階で耳に障がいがあることを伝え、お願いしてほしいことも併せて話すようにしています。
- 聞き取れなかった時、わからなかった時は必ずもう一度話してもらうようにお願いをし、おうむ返しを心がけながら、話し手とのイメージに相違がないか確かめながら話をするようにしています。
- 変に空気を読みすぎないように、ゆったりと過ごしていることが多いと思います。
- ”どうしたら聞こえるようにできるのか” よりも、”どうしたらすれ違いを減らせるか” を考えながら意識していることが多いです。
【質問】聞こえの課題に対して、周りに共有していることがあれば教えてください。
- 後ろから話しかける時は肩をたたいてもらう、視覚に入って手を振ってもらっています。
- 話をする時は必ず、顔を見せてもらい口を大きく、早口にならないよう句読点を意識して話してもらっています。
- 対面、オンライン会議に関わらずUDトーク(音声文字化アプリ)を使用してもらっています。
- 大人数の会議などではGoogleのスプレッドシートを活用して、議題を事前に共有し、会議中は議事録も兼ねてリアルタイムに情報を捕捉してもらっています。
【質問】聞こえに課題を持つ人たちにメッセージをお願いします。
時代の進歩に伴い、きこえを補助するツールが発達しています。
私自身も最近になって最新のロジャーシステムや補聴器の性能に助けられている場面が多くあります。
その問題解決の根本には”自分が何に困っていて”、”何が必要なのか”、”どうすれば解決できるのか” という課題解決にしっかり向き合うことが大切だと考えています。
そして周囲に聞こえないことを伝えるだけでなく、双方にとってどのようなコミュニケーションが相応しいのか、シチュエーションを踏まえながら、HOW TO を伝えることも、これからの時代に必要なことだと思います。
その伝えようとする想いを汲み取ってくれる方は必ずいます。
うまくいかない時でも、うまく行くまで繰り返すことも環境を変えることに必要不可欠な経験だと思いますので、一緒にこれからの時代をもっといいものに変えていきましょう!