石井万寿美 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師
2/4(火) 8:01

イメージ写真(写真:アフロ)
猫の目の色にはさまざまな種類があり、とても興味深いものです。
オッドアイという目を持つ猫がいることをご存じですか? オッドアイとは「変わった目」という意味で、左右の瞳の色が異なることを指します。日本では、左右の瞳の色が違う猫を「金目銀目」と呼び、縁起の良い猫として親しまれてきました。
今回は、オッドアイを持つ猫について詳しく見ていきましょう。
オッドアイを持つ猫は「幸福をもたらす」

イメージ写真(写真:アフロ)
オッドアイを持つ猫は、その神秘的で美しい瞳の色の違いが魅力的であり、多くの人々を惹きつけます。
特に、白い毛とオッドアイの組み合わせは幻想的な印象を与え、希少性の高さからも人気があります。
そのため、オッドアイを持つ猫は「幸運をもたらす猫」として知られ、海外でも縁起の良い存在とされることが多いです。
左右の目の色が違うことで個性が際立ち、写真映えする点も人気の理由の一つです。SNSなどでオッドアイの猫が注目を集めることも多く、憧れる人が増えています。
ただし、白い毛で青い目を持つ猫は、遺伝的要因により先天的な聴覚障害があるため、注意が必要です。
白い毛で青い目の方が耳が聞こえにくい?

イメージ写真(提供:イメージマート)
オッドアイを持つ猫の中には、聴覚に問題を抱える場合があります。
実際に、オッドアイの猫を診察している際、飼い主が青い目の方から名前を呼んでも反応が薄いことがありました。特に、白い毛で青い目を持つ猫は、聴力が低下しやすいと言われています。
これは、白い毛色をつくる遺伝子が、目を青くするだけでなく、耳の正常な発達を妨げる可能性があるためです。そのため、白い毛色で青い目を持つ猫は、聴覚障害を引き起こしやすいとされています。
なお、白い毛の猫で両方の目が青い場合、両耳が聴覚障害がある可能性がありリスクがさらに高くなることが知られています。
オッドアイと聴覚障害
オッドアイを持つ猫は、青い目の側の耳に聴覚に問題があることが多いと言われています。
これは、W遺伝子(白色遺伝子)が内耳の発達にも影響を及ぼすためです。ただし、すべてのオッドアイの猫が難聴になるわけではありません
W遺伝子の影響

イメージ写真(提供:イメージマート)
W遺伝子は、猫の毛色を真っ白にする遺伝子です。この遺伝子が発現すると、毛を白くする色素細胞(メラノサイト)の働きが阻害されます。
メラノサイトは毛色だけでなく、内耳の機能にも重要な役割を果たしています。特に、内耳の有毛細胞(音を感じ取る感覚細胞)を保護する働きがあるため、メラノサイトが不足すると聴覚が正常に発達しない可能性があります。
すべての白い毛の猫が聴覚障害になるわけではない
ただし、白い毛を持つすべての猫が聴覚に問題があるわけではありません。聴覚障害の有無は、W遺伝子の発現の仕方や他の遺伝子との組み合わせによって異なります。
例えば、白い毛を持ちながらも青い目ではなく、金色や緑色の目を持つ猫は、聴覚障害のリスクが低い傾向があります。
飼い主が注意すべきこと
聴覚障害を持つ猫を飼う場合は、いくつかの点に注意する必要があります。
このような猫は音によるコミュニケーションが難しいため、手を大きく振るなど視覚や触るなどを活用するコミュニケーションを心がける必要があります。聞こえやすい耳の方から呼ぶなどをしてあげてください。また、外に出た際に車や他の動物に気づきにくいため、安全のためにも室内飼いを徹底することをおすすめします。
まとめ

イメージ写真(写真:アフロ)
白い毛で目が青い猫が聴覚障害を抱えるのは、見た目の美しさの背後にある遺伝的な要因に起因しています。
こうした特性を理解し、適切なケアを提供することで快適な生活を送れるようサポートすれば、元気で暮らせます。オッドアイを持つ猫は、このような健康的に問題がある子もいることを知っておいてください。
リンク先はYAHOO!JAPANニュースというサイトの記事になります。