JAMA Otolaryngology-Head and Neck Surgery誌オンライン版7月6日号に研究レターとして掲載された新たな研究によると、難聴者は、人口統計学、生活習慣要因、併存疾患を調整した後でも、聴力が正常な人に比べて日常的な疲労を経験する可能性が約2倍高いことが示唆された。
ジョンズ・ホプキンス医学部の研究チームによって実施されたこの研究では、40歳以上の全国代表者3,031人を対象とした2015~2018年国民健康・栄養調査(NHANES)のデータを調査した。
回答者のうち、2,318人(76%)が正常聴力であったが、713人(24%)が難聴であった。
難聴の回答者の合計12.7%が、2週間にわたってほぼ毎日疲労を感じると報告したのに対し、正常な聴力を持つ成人では同程度の疲労を報告したのはわずか7%であった。
このデータは、1つのモデルでは年齢、性別、人種、民族、学歴、喫煙、飲酒、職業上および仕事外の騒音暴露、肥満度を含む要因で調整され、2つ目のモデルでは併存疾患と抑うつ症状で調整された。
この新しい研究は、難聴者が音を処理するために費やす労力と、それが健康全般に及ぼす長期的な影響との間に関連性を立証した初めての国内研究であると考えられている。
聴覚学者であり、聴覚に関するいくつかの重要な研究を発表している共著者のニコラス・S・リード(Nicholas S. Reed, AuD, PhD)氏は、今回の研究結果は難聴者が経験する健康への悪影響に関する洞察を提供するものであるとHearingTrackerに語っている。
これらの影響は、疲労にとどまらず、身体活動の低下、精神的健康の低下、認知機能の低下にまで及ぶ可能性がある。
リンク先はアメリカのHearing Trackerというサイトの記事になります。(英文)