500年ぶりの大発見、軟骨伝導
骨伝導と軟骨伝導は、名前は似ているがかなり違った技術である。
骨伝導は頭蓋骨を振動させることで、鼓膜を使わず、音を感じる蝸牛に直接伝えている。
今からおよそ500年以前に発見された、鼓膜で空気振動を聞く以外の音の聞き方である。このため、振動子を頭蓋骨に押し当てる必要がある。
多くはアームバンドによって耳の前方に固定するので、頭を締め付けられる感じを嫌う人もいる。
一方軟骨伝導は、2004年に奈良県立医科大学耳鼻咽喉科学の細井裕司教授が発見した、比較的新しい方式だ。
そもそも耳は頭蓋骨と直結しているわけではなく、耳の付け根周りは軟骨がグルッと取り囲んでいる。耳たぶも大部分は軟骨である。
軟骨を振動子で振動させると、外耳道の軟骨部を動かし、外耳道内に気導音が生成される。
これを鼓膜で聞くわけである。
一方で生まれながらに外耳道閉鎖症といった障がいを持つ方でも、軟骨の振動を軟部組織へ伝えたり、あるいは骨を振動させることで内耳へ音を伝達できる。
すなわち補聴器としても、1つの構造で多くのパターンに応用できるということで、かねてより製品化されている。
これをオーディオへ応用したのが、オーディオテクニカの「ATH-CC500BT」というわけである。
ただCC500BTは装着方法が骨伝導と同じだったので、その方式の特徴がわかりにくかった。
この7月から一般販売されたcheeroの「Otocarti LITE」は、軟骨伝導を使いながらもヘッドバンド型ではなく、ネックバンド型で登場した。
ドライバには開口部がどこにもなく、小さな球体である。これを耳穴下の軟骨ポケット、医学的には珠間切痕(じゅかんせっこん)と呼ばれる部分に引っ掛けるように装着する。
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