鼓膜の働きを改善する「あくび耳抜き法」とは?首のうしろをいたわる、耳の血流をよくするマッサージも効果的

鼓膜の働きを改善する「あくび耳抜き法」とは?首のうしろをいたわる、耳の血流をよくするマッサージも効果的

2025年03月23日
新・心とからだの養生学  一生使い続けるために〈耳の聞こえを守るケア〉(2)
木村至信 耳鼻咽喉科医、医学博士

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イラスト:小林マキ

加齢とともに耳の機能が衰えると、聞こえにくくなるのは仕方がない、とあきらめていませんか。日頃から耳をいたわることで、《聞こえ》は維持できるそう。難聴や耳鳴りに詳しい耳鼻咽喉科医の木村至信先生が、セルフケア法を指南します(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)


鼓膜の働きを改善する「あくび耳抜き法」


口の中にためた空気を一気に耳に送り込むことで、耳管を開き、鼓膜の内外の圧力差を解消する方法です。

「飛行機や水中で行う“耳抜き”と似ていますが、ポイントは最初に必ずあくびをすること。口を大きく開けることで耳管が開き、耳から空気が抜けやすくなります。あくびなしで急に行うと、鼓膜が傷ついたり中耳炎になるので注意しましょう」(木村先生。以下同)

鼓膜が内側から外側に押されてパカッという感覚があり、スーッと空気が抜ける音が聞こえれば成功です。鼻の粘膜が温まり、耳管の入り口が柔らかくなっているお風呂上がりに行うと効果的。「何度か続けるうちにできるようになります。うまくできないときは、耳鼻咽喉科で指導してもらうとよいでしょう」

なお、めまいがするときは悪化する恐れがあるので控えて。


【準備】


鼻水が耳に入らないよう、両鼻をしっかりとかむ。鼻づまりの場合は、熱めの濡れタオルを鼻に当てて蒸気を吸い込み、鼻づまりを解消してから行う

イラスト「1)口を大きく開けて、そのままあくびが出るまで待つ」

1)口を大きく開けて、そのままあくびが出るまで待つ

イラスト「2)くびが出て口の中に空気がたまったら口を閉じ、鼻をつまんで鼻の穴をふさぐ。鼻に息を集める」

2)くびが出て口の中に空気がたまったら口を閉じ、鼻をつまんで鼻の穴をふさぐ。鼻に息を集める

イラスト「3)耳から空気が抜けたら、鼻から手を離し、口を開けて残りの空気を逃す」

3)耳から空気が抜けたら、鼻から手を離し、口を開けて残りの空気を逃す


朝、昼、お風呂上がりか寝る前の1日3回

※ やり過ぎると鼓膜を傷つけるので、回数を守ること
※ 痛みを感じたら、空気が抜けていなくても口を開けて空気を出す。無理に行うと鼓膜を傷つける恐れがある


首のうしろをいたわる


首のうしろには、椎骨動脈と脳底動脈という太い血管が通っています。「耳への血流を促すため、首のつけ根にカイロや温めたタオルを当てるとよいでしょう」

枕は高すぎても低すぎても椎骨動脈と脳底動脈に負担がかかります。「首のカーブの深さプラス2センチを目安に、枕の高さを見直して。毛布やタオルで耳を覆い、就寝中も耳を冷やさないよう心がけましょう」


耳の血流を促す「耳マッサージ法」


聞こえの神経に栄養が届くよう、耳をもみほぐして、血流を促します。ストレス緩和にも役立ちます。

「ストレスは、聞こえにくさの原因の一つでもあります。耳をほぐすと、副交感神経が優位になって自律神経のバランスが整い、心身がリラックスして、聞こえの改善につながります」

手は温めてから行うこと。「入浴時、浴槽に浸かりながら行うと、手も耳も温まっているため、より効果的です」

イラスト「1)左右の耳全体を手で押さえ、回しやすい方向にぐるぐると回す。1周1秒×3回」

1)左右の耳全体を手で押さえ、回しやすい方向にぐるぐると回す。1周1秒×3回

イラスト「2)耳を上、下、斜め上、斜め下、横の順にそれぞれ軽く引っ張る。上は耳の上部、下は耳たぶ、横は耳の真ん中あたりを指でつまむこと。1ヵ所につき3秒×3回」

2)耳を上、下、斜め上、斜め下、横の順にそれぞれ軽く引っ張る。上は耳の上部、下は耳たぶ、横は耳の真ん中あたりを指でつまむこと。1ヵ所につき3秒×3回

イラスト「3)左右の耳たぶをそれぞれ親指と人差し指でつまみ、軽く押す。3秒」

3)左右の耳たぶをそれぞれ親指と人差し指でつまみ、軽く押す。3秒

イラスト「4)左右の耳のうしろに指を添え、耳を前方へ倒す」


4)左右の耳のうしろに指を添え、耳を前方へ倒す


1~4を通して5回行う。これを1セットとし、1日3セット


聞こえによい栄養を摂る


「耳の健康のために積極的に摂りたいのが、ビタミンB群です。とくにビタミンB12には、神経の働きや血流を改善し、細胞の発育を促す働きがあります」

ビタミンB12は、シジミやアサリ、サンマ、イワシ、レバーなどに含まれています。豚肉、大豆、ゴマ、玄米、ウナギに含まれるビタミンB1も神経の働きをサポートする栄養素です。

【聞こえのケアに役立つグッズ】

ワイヤレス軟骨伝導ヘッドホン ATHCC500BT2)/オーディオテクニカ
ワイヤレス軟骨伝導ヘッドホン ATHCC500BT2¥19,800(編集部調べ)/オーディオテクニカ

耳の軟骨伝導経路を活用し、鼓膜に伝えるヘッドホン。耳の穴をふさがないので、周囲の音も入る。BluetoothでスマートフォンやPCと接続できる。


温めぐりかけぽか 使い捨てカイロ 1個入 /レック

温めぐりかけぽか 使い捨てカイロ 1個入 ¥248(編集部調べ)/レック
首にかけるタイプの使い捨てカイロ。約42℃に温まり(最高温度45℃)、温かさが5~8時間持続する。家でのリラックスタイムはもちろん、冷えを感じる外出時にも気軽に使える。


ヴァルネF F300ミニRITE R片耳価格/マキチエ


ヴァルネF F300ミニRITE R片耳価格¥270,000~(非課税)/マキチエ
音の出るスピーカーが耳穴の中におさまるため、従来の耳かけ型に比べて小さめサイズで目立たない。一つひとつの音のコントラストをつけて、聞き取りを助ける。

※記事内の商品価格はすべて税込です


イラスト: 小林マキ
取材・文・構成:岩田正恵(インパクト)
デザイン:米山和子(プッシュ)
出典=『婦人公論』2025年4月号


木村至信

耳鼻咽喉科医、医学博士
厚生省の難聴遺伝子研究員としてアメリカに留学。帰国後、横浜市内のクリニックで診療開始。バンドのボーカル、枕やスピーカーの開発など、耳と声のスペシャリストとして多方面で活動中。著書に『1万人の耳の悩みを解決した医師が教える 耳鳴りと難聴のリセット法』がある



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リンク先は婦人公論というサイトの記事になります。


 

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