難聴のある5歳の踊り手 阿波おどり初挑戦を取材 誰もが踊れる阿波踊り 鳴門市「すだち連」

難聴のある5歳の踊り手 阿波おどり初挑戦を取材 誰もが踊れる阿波踊り 鳴門市「すだち連」

2024年08月16日

5歳の踊り手 阿波踊り初挑戦

先月とく6徳島で特集した、聴覚に障害のある人とない人とが一緒に阿波踊りを楽しむ「すだち連」(連の紹介は下記のWEB記事をぜひお読みください!)
すだち連の5歳の踊り手・小松 楷(こまつ・かい)くんは、ことし阿波踊り初挑戦。鳴門市阿波おどりでの本番の様子を、羽深未奈乃アナウンサーが取材しました。

NHKの記事「誰もが踊れる阿波踊りを 鳴門市「すだち連」の挑戦 障害の有無にかかわらず阿波踊りを楽しむ連」


動画はこちらから👇




すだち連 5歳の踊り手の初挑戦

鳴門市を中心に活動する「すだち連」
手話での合図太鼓の音など工夫を重ね、聴覚に障害のある人とない人が共に阿波踊りを楽しんでいます。

すだち連の練習の様子
すだち連は44年前に結成し、現在は約30人で活動

今年からすだち連に入った、5歳の小松楷くん。
中等の難聴があり、騒がしいところでは聞こえにくさがあります。

5歳の小松楷くん、初めての阿波踊り

楷くん本人の希望で、今年から阿波踊りを始めました。
その理由は・・・

インタビューに答える楷くん

自宅では毎日、母親の名央さんと一緒に阿波踊りの練習を重ねています。

毎日、母親の名央さんと一緒に阿波踊りの練習を重ねる
本番前日はお風呂でも!
阿波踊りの練習していた楷くん

今回の阿波踊りへの挑戦は、母・名央さんにも特別な思いがあります。

練習を重ねる楷くん

母・名央さん
(楷くんは)難聴があって難しいって思うことが多いかも。最初のハードルが高いかも。でも頑張ったらちょっとでもできるだろうし。諦めてほしくないかな。なんでもがんばってほしい。

諦めずにできたら、それ以上に楽しいことが待っているよと、阿波踊りを通して分かってくれるかな。


鳴門市阿波おどり当日

8月10日、鳴門市阿波おどり本番当日を迎えました。

はっぴに袖を通し、とっても嬉しそうな楷くん
はっぴに袖を通し、とっても嬉しそう!

両親も、楷くんの晴れ姿を温かいまなざしで見つめます。

楷くんの晴れ姿を温かいまなざしで見つめる両親
父・宏成さん「楽しんでやってくれたらいい」

楷くん!本番に向けての楷くんの意気込みは・・・?

最後まで頑張りたいと意気込みを語る楷くん
連長からもらった木製のお守りも首から下げています


本番の会場へ!

鳴門市の大道おどり通りには、大勢のお客さんと連の皆さんであふれ、熱気が高まっていました。

阿波おどり期間は「大道銀天街」が踊りの舞台に。
阿波おどり期間は「大道銀天街」が踊りの舞台に。
踊る距離はなんと180m!

楷くんも出番を待ちます。

柱に映る自分の姿を見て、踊りの最終確認!
柱に映る自分の姿を見て、踊りの最終確認!

前を踊る連の鳴り物の大きな音、迫力のある太鼓が会場中に響き渡ると、楷くんの表情にも変化が・・・。

前を踊る連の鳴り物の大きな音、迫力のある太鼓が会場中に響き渡る

補聴器によって大きくとらえられる鳴り物の音に、楷くんも少し緊張の面持ちです。

鳴り物をじっとみつめる楷くん
鳴り物をじっとみつめる楷くん


阿波おどり本番!!

さあ!いよいよすだち連の出番です!

いよいよすだち連の出番です!

楷くんに声をかけて見守るお母さん
楷くん!笑顔!

お母さんが楷くんに声をかけて見守ります。
楷くんも真剣な表情で、前へ前へと進みます。

ついに晴れ舞台に立った楷くん

初回の練習では泣き出すこともあったという楷くん。
自宅での練習を重ねて自信をつけ、すだち連の周りの人の支えもあって、ついに晴れ舞台に立ちました。

見守る両親

真剣な表情で踊る楷くん

そして最後の掛け声!!
「ハァーー!」

そして最後の掛け声!! 「ハァーー!」

楷くん、大道おどり通りの180mの道のりを、踊りきりました!!

大道おどり通りの180mの道のりを、踊りきった楷くん

名央さんの目からは、涙が。

名央さんの目からは、涙が。


阿波おどりを終えて

2か所の演舞場で一生懸命に踊った楷くんのもとに、両親が駆け寄ります。

踊り終えて水分補給する楷くん
「よかったな!」「がんばったな!」

楷くん!阿波おどりはどうでしたか?

笑顔の親子三人

母・名央さんの思いは・・・

名央さん

何事もはじめは泣いたりしていて、最後までやりきれると思わなかったので、うるっときた。新しいことにもたくさん挑戦できるんだなと思えるきっかけになったので、これからいろんなことに挑戦していけたらなと思います。

阿波踊りの様子

踊る楷くん

阿波おどり、また来年もやってみたいですか?

「やりたいです」と答える楷くん

「諦めずにできたら、それ以上に楽しいことが待っているよと阿波踊りを通して分かってくれるかな」と話していた、母・名央さん。
楷くんはその願いの通り最後まで真剣に踊りきり、小松さん親子に、大きな笑顔があふれました。

聞こえる人も聞こえにくい人も踊る喜びを分かち合う、鳴門市「すだち連」。
この夏、楷くんはすだち連から大きく巣立ちました。


あわせて読みたい

NHKの記事「誰もが踊れる阿波踊りを 鳴門市「すだち連」の挑戦 障害の有無にかかわらず阿波踊りを楽しむ連」


リンク先はNHKというサイトの記事になります。
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