「中世への旅」シリーズの大ヒットから始まった、「書泉と、10冊」。
この企画は、過去に出版された書籍で既に在庫がなく手に入りにくい名作を、株式会社書泉と出版社のみなさま、著者のみなさまに協力いただき重版・復刊してお届けしていくものです。
(※企画概要は参考資料の前回リリースをご覧ください)
第5弾は、初めて書泉スタッフ以外からの選書です。言語学をテーマに活動しているYouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」のお二人に、もっと多くの方に読んでもらいたいと熱望する書籍を選んでいただきました。
(中略)
『少数言語としての手話』(一般財団法人東京大学出版会)
2007年に出版された本作。
多くの人の素朴な認識と本来の手話の間には、どんなギャップがあるのか。
実際の手話とはどんなものなのか。
一見難しそうに思われる本作ですが、斉藤くるみ先生が取り上げる研究と記載されている図版により、分かりやすく構成されております。
言語として手話、ろう文化と、その存続。是非、手に取っていただきたい一作です。
ゆる言語学ラジオ 水野さんが選ぶ、復活させたい本として販売いたします。
<この書籍を選んだ、ゆる言語学ラジオ 水野さん>
「手話は音声言語に比べて単純」「手話は世界各国で共通」手話について知らないほとんどの人は、こうした素朴な直観を持っているでしょう。
こうした誤解を、説得力のあるデータで丁寧に解きほぐしていくのが本書。
著者のピックアップする研究のチョイスがどれも魅力的で、カタそうな装幀、タイトルとは裏腹に、読み味は非常にエキサイティングです。
<著者 斉藤くるみさん(視覚聴覚障害アドボカシー研究所所長/日本社会事業大学名誉教授)>
ろう者が手話で会話をしているときの脳は、聞こえる人が音声言語で話しているときの脳と同じ部分が働いており、人が手を動かしてジェスチャーをしているときの脳の動き方とは全く違う。
このことが分かったのは20世紀末(米国)。
手話は言語だということの脳科学的証明だった。
しかし当時日本では、大学教授でさえ受け入れない人もいた。出版社の英断に感謝したものだ。
あれから16年、もはや手話は言語であることに異論を唱える人などほとんどいない。
現在の読者の方々には一見特異な「手話とろう文化」の学際的研究から見えてくる普遍性(マイノリティとマジョリティ、母語性、障害の文化的側面等)という視点で読んでいただければ大変ありがたい。
<担当編集 小暮明さん(元東京大学出版会編集部)>
「手話は少数言語である」という視点を提起した先駆的な本――2007年の刊行時、日本では手話がドラマやミュージカルなどを通じて注目を集めていたものの、一部では音声言語と比べられ、言語として十分な認識を得られていない状況でした。当初、この本に対する異論もネット上で寄せられました。
とはいえ、本書は手話の言語学的な本質を捉えています。
手話と脳の関係、言語構造の独自性、世界各地の手話のバリエーション、手話と芸術の結びつき、人工内耳と手話存続のゆくえ…など、その実像が幅広くまとめられ、文化の多様性を考えるうえでも示唆に富む。
2011年には改正障害者基本法で手話は言語であると明記され、それ以降、全国の自治体で手話言語条例が制定されています。
この本の編集に携われたことを光栄に思います。
<この企画を担当した、バリューブックス 飯田さん>
スポンサーとして、ゆる言語学ラジオの活動を微力ながらお手伝いしてきた私たちですが、彼らの「魅力的に本を語る力」には常々驚かされてきました。
そして今回、本の紹介をするだけにとどまらず、重版・復刊にまで繋げてしまうとは!
今回選ばれた2冊を知ったとき、実に「堀元さんらしい/水野さんらしい」な、と深く頷きました。
頷くだけにとどまらず、早く読ませてくれ!と発売を待ち望むひとりにもなってしまったわけですが。
彼らの熱量に負けぬよう、より多くの読み手のもとに届くよう、本屋としても腕まくりで本企画に臨みます。
<この企画を担当した、書泉 熊谷さん>
個人的に好きなYouTubeチャンネルであったゆる言語学ラジオのお二人とのコラボ企画。
一ファンとしても楽しみにしておりました。
動画内では「好きな本ラザロ」と銘を打っていましたが、こうしてお二人が選んだ書籍をまさに”復活”することができたこと、そして「書泉と、10冊」を通して皆様にお届けできることは、喜びの思いでいっぱいです。
今回は、ジャンルの違う2冊です。
みなさまには、是非セットで読んでいただければと思います。
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