要約
この研究の目的は、聴力損失に伴う人格特性と社会的孤立、孤独、不安、抑うつ、高ストレス、および記憶の訴えの相互作用を調査することでした。
以前の研究では、人格特性が不安や抑うつ、さらには聴力損失とも相関していることが示されており、人格が社会的感情的な結果と聴力損失との関係に影響を与えることが示唆されています。
検証済みのスクリーニング測定を含む横断的調査が匿名で実施されました。測定項目には、人格（ビッグファイブ指数-2超短縮版）、ストレス（知覚ストレス尺度）、不安と抑うつ（患者健康質問票）、孤独感（3項目孤独感尺度）、社会的関与（Lubben社会ネットワーク尺度-6）、および自己認識された記憶の訴え（主観的認知機能）が含まれていました。
18歳から90歳までの成人（平均年齢50歳）から891件の回答が得られました。
聴力損失は、人口統計学的変数、人格特性、心理社会的結果、および社会的感情的結果を考慮しない場合にのみ、主観的な記憶の訴えと正の相関がありました。
聴力損失と否定的な感情性の相加的な効果により、聴力損失の可能性があると自己認識した人々の記憶の訴えが増加しました。
また、聴力損失の程度が高いほど孤独感が増し、聴力損失が大きい場合には外向性と社会的関与との正の相関が無効化されました。
全体として、我々の結果は、聴力損失が人格特性やその他の社会的感情的な測定と有意に相互作用することを示唆しています。
我々の結果は、聴力損失が記憶の訴え、社会的孤立、および孤独感に及ぼす影響が、聴力損失を持つ患者と聴力損失の可能性があると考える人々の間で異なる可能性があることを示唆しています。
この研究の情報は、聴覚医療およびメンタルヘルスケアの専門家が、追加のサポートや介入を必要とする聴力損失者をより良く支援するための洞察を提供するかもしれません。
リンク先はPLOS ONEというサイトの記事になります。（原文：英語）
