小谷野 依久さん(旅行会社勤務)
右耳 | 左耳 | |
平均聴力 | 133 dB | 120 dB |
補聴機器 | 人工内耳(コクレア社) | 補聴器(リサウンド社) |
支援機器 | 音声文字化アプリ・アクセサリー、iPhone | |
手話の使用 | はい |
【質問】あなたが自身で大切にしている人生の価値観を教えてください。
"Don’t let hearing loss limit you." (難聴のせいで、自分を制限しないで)
2020年の国際ヒアリングデーのテーマの一部分なのですが、こんな気持ちで子供のころからやってきたと思います。
【質問】あなたの聞こえの課題(聞こえに関して困っていること)を教えてください。
- 補聴器をもう使いこなせないこと。
- 人工内耳の性能/機能がまだ十分ではないこと。(バッテリーやアクセサリー、電波、大きな集会での使い方など)
【質問】聞こえの課題に対して自分で対応していることを教えてください。
- 話し手に近づく。右側(より聞こえる人工内耳側)を向ける。
- iPhoneのライブリスニング機能を使う。
- 話し相手にマスクをずらして口元を見せてもらう。
- Teams会議(会議システム)の字幕と会議用マイクスピーカーを併用する。
- 音声認識アプリを使う。知らない漢字や横文字は調べる。
- 聞き返しのスキルを使う。
- 話し手に意見を言う(要望を伝える)。例:「オンラインの際はマイクを使ってほしい」など
- UDトーク(音声文字化アプリ)などは、使いやすいように環境や言い方に気を使う。(ポジティブに)
- 美容院はリクルート社のアプリを使って、予約時に難聴だから筆談希望とお店への要望欄に入力する。
- 聞こえる人がイメージを持ちやすいように、たとえ話のストックを多く持つ。
そのためには正しい知識が必要…
【質問】聞こえの課題に対して、周りに共有していることがあれば教えてください。
- iPhoneのライブリスニング機能を使う。
- 聞き取れないときは口元を見せてもらう。
- iPhoneで通話したほうが聞きやすい場合もある。
- 離れた場所や、まわりの騒音で聞こえないことが、日常的によくあるということ。
- 静かな環境で1対1の場合という条件でしか対応してないと言い切る。
【質問】聞こえに課題を持つ人たちにメッセージをお願いします。
人と関わろうとすると、この障害はむくむくと頭をもたげてくるものですよね。下がる気持ちとは裏腹に、顔を上げないとコミュニケーションがとれない。その繰り返し。
コミュニケーションをあきらめない強さがあるからこそ、苦しい日もあるかもしれません。わたしにもまだまだ、そんな日があります。
でももしかしたら、それが "コミュニケーションの醍醐味なのかもしれない" と思えるようになりました。
聞こえに課題を持つ人も、理解をしてくれる人も、思っているよりたくさんいるので、まわりを見渡してみてくださいね。