要旨
目的：
生態学的瞬時評価（EMA）を使用して異なる補聴器プログラムを比較する際には、十分な長さの研究期間では両方のプログラムで類似した状況が経験されると通常仮定されます。しかし、状況を自分の聴力に適応させること（例えば、会話相手に声を大きくしてもらう、テレビの音量を上げるなど）は、異なる補聴器プログラムで過ごした時間によって異なる可能性があり、この仮定を疑問視することがあります。本研究では、テスト参加者がどのように自分の音響環境を変更するか、およびこれらの変更が聴覚プログラムに依存するかを調査しました。
デザイン：
29人の経験豊富な補聴器利用者に、方向性とノイズ低減（NR）が異なる2つの補聴器プログラムを含む補聴器を提供しました。NR-onとNR-offと呼ばれる補聴器プログラムは、毎日自動的に切り替わりました。3週間にわたり、参加者には、音声環境を改善するために変更または変更したいと思った音響状況に遭遇するたびにアンケートに回答してもらいました。補聴器からは、音圧レベルの客観的データと音響状況の分類データが収集されました。研究の開始時に、参加者は自分自身の補聴器を使用する際に通常行う音響環境の変更を思い出し、この行動の頻度について報告しました。
結果：
フィールドトライアル中、参加者は平均で1日に2.3回の状況を報告し、これを変更または変更したいと報告しました。変更は通常、状況の発生後すぐに行われ、聴取状況の快適さが有意に向上しました。報告された状況の数はプログラム間で変わりませんでしたが、目標信号の音量を増やしたり、補聴器の音量を増やしたりする変更は、NR-on補聴器プログラムの方がより頻繁でした。変更時の客観的データの変化は、報告された変更と一致していました。さらに、使用時間や音響状況の分布は、2つの補聴器プログラム間で研究期間全体で異なりました。
結論：
変更による快適さの大幅な向上は、EMA研究で観察される一般的な肯定的評価を説明するかもしれません。さらに、ここで見つかった結果は、EMAでの聴覚属性の評価を比較する際に注意が必要であることを示唆しています。異なる補聴器プログラム間の異なる変更行動は、聴力問題の過小評価や2つの技術を比較する際の感度の低下をもたらす可能性があります。
リンク先はEAR and HEARINGというサイトの記事になります。（原文：英語）
