(福島 邦博 先生)
第一に、補聴器をつけなければ、友達とのトラブルは避けられるのでしょうか?
聞き間違いや、コミュニケーション上での失敗が頻発すると、学校生活でのトラブルの原因となり、根が深いいじめを引き起こしてしまうことも考えられます。
補聴器を活用して周囲とのコミュニケーションを良好に維持し、いじめを予防する人間関係を作っていきましょう。
第二に、それでも補聴器を元にいじめられることがあれば、先生に相談しましょう。
本人に責任のない、外見的なことで責められるようなことは、本来あってはならないことです。
こうした原則は、これから大人になっていく全ての子供たちに毅然として示されるべきです。
その上で、お子さんが自分に自信を持ち、周囲と助け合う力を身につけるためには、まずは保護者の方が補聴器の装用を前向きにとらえていただくことが大切だと考えます。
自分は何が得意なのか、どんなことに配慮してもらえると生活しやすいのか、ということを周囲に上手に伝えることのできる力=セルフアドボカシーの能力は、ずっと先までの人生を支えてくれる力になります。
保護者の方がコミュニティ活動などに積極的に参加されることもお勧めです。
その中で、どのように接してもらうと助かるのか、ということを周囲に上手に伝えることができると、理解も深まっていくと考えられます。
出典:Phonak社ホームページ
『子どもの難聴に関するQ&A』
監修:医療法人さくら会 早島クリニック
耳鼻咽喉科皮膚科 理事長 院長
福島 邦博 先生
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