国立病院機構東京医療センター臨床研究センター聴覚・平衡覚研究部の松永達雄部長、および慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室の大石直樹准教授らの研究グループは、希少な遺伝性疾患である、神経線維腫症Ⅱ型(NF2)の日本人14症例の、病気の原因となる遺伝子の状態(変異)を解析し、その結果と患者の臨床経過について、比較検討を行いました。
NF2は音を脳に伝える聴神経に、左右両側とも腫瘍ができてしまい、両耳とも聞こえが悪くなることが特徴の疾患で、本研究では、発症年齢や腫瘍の大きさなどの他、特に聴力の臨床経過について詳細に検討しました。
研究の結果、遺伝子の変異のタイプと発症年齢に関連性が認められ、遺伝子からタンパク質が作成されなくなる変異(truncating変異)を持つ症例のグループでは、全例が20歳未満で発症していました。
一方、腫瘍の増大率や、聴力の悪化率については、遺伝子の変異のタイプごとに、一定の傾向は認められませんでした。
また同一の症例であっても、右と左の耳で腫瘍の増大や聴力の悪化が非対称的となっている場合もあり、腫瘍の大きさや聴力の変化には、遺伝子の変異のタイプ以外にも影響を与える因子があることが示唆されました。
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(PR TIMES記事)